【明日の金ロー】黒ずくめの組織が乗る車は映画界の”名車”「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」

スポーツ報知
アクションシーンも見どころの「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」(C)2001 青山剛昌/小学館・読売テレビ・ユニバーサル ミュージック・小学館プロダクション・東宝・TMS

 15日の金曜ロードショー(後9時)は2週連続となる劇場版「名探偵コナン」シリーズの第一弾として「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」(2001年)が放送される。

 劇場版第5作となる本作は、主人公・江戸川コナンを子供の姿に変えてしまった宿敵・黒ずくめの組織が映画では初めて登場する。組織との対決を描いた劇場版は人気が高く、今年公開された最新作「―黒鉄の魚影(サブマリン)」は興収135億円を突破し、シリーズの歴代最高(それまでは22年「―ハロウィンの花嫁」の97・8億円)を記録。今作も公開されてすでに20年以上が経過したが、ファンの間では現在も支持の多い作品だ。

 物語の舞台となるのは、富士山を望む西多摩市に完成したばかりの、オープンが間近に迫ったツインタワービル。最上階では完成パーティーが行われようとしていたが、その招待客の一人がビルのスイートルームで殺害された。さらに、ビル建設の関係者に犠牲者が出る中、パーティーは開催されたが、その最中にビルの下層階で爆発が起きる。犯人の目的は? そして、ビルの周辺に姿を見せた黒ずくめの組織の狙いは、果たして…。

 本作の特徴は、コナンの小学校の同級生である「少年探偵団」の活躍がしっかりと描かれていること。同時に、「恋愛」と呼ぶにはかわいらし過ぎる恋に揺れる心情を表現している点も興味深いところだ。さらに、当時は現在と比べると心をほとんど開いていなかった灰原哀が、「人間らしさ」をのぞかせるシーンも、ファンにはたまらないだろう。

 ところで、本作でも登場する黒ずくめの組織に所属するジンが乗る車は、コナンも劇中でその車名を口にしているが「ポルシェ356A」。1948年に最初の型が製作された「356」シリーズは、世界に知られるスポーツカー・ポルシェの名前が初めて付けられた車として知られているが、実は海外映画でもそのレプリカが度々登場している。

 エディ・マーフィーのデビュー作「48時間」(1982年)では、マーフィー演じるハモンドの愛車として登場。昨年、36年ぶりの続編「トップガン マーヴェリック」が大ヒットした「トップガン」(86年)では、トム・クルーズ演じるマーヴェリックが恋する教官・チャーリー(ケリー・マクギリス)がハンドルを握っていた。また、マイケル・J・フォックス主演の「ドク・ハリウッド」(91年)では、赤色の「356」が使用された。

 さらに劇中ではないが、わずか3本の映画に出演しただけで交通事故死した”伝説の米俳優”ジェームズ・ディーンの愛車も「356」(事故の時に乗っていたのは「ポルシェ550スパイダー」)だった。ハリウッド映画にとって、実は同シリーズは重要な位置を占めている。

 ちなみに、阿笠博士が乗っているのは、「ビートル(カブトムシ)」の愛称で知られるフォルクスワーゲン・タイプ1だが、ワーゲンは2012年にポルシェと経営統合し、傘下に収めた。車だけでいえば、すでに黒ずくめの組織は”正義の軍門”に下っているのだ。(高柳 哲人)

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