◇第32回秋季リーグ戦 第1~2節(9~10日、野幌総合運動公園球場ほか)
札幌ボーイズが2勝1敗で白星を先行させた。第1節の開幕戦で札幌手稲ボーイズに4-3で今季初めて競り勝ち、第2節初戦は札幌豊平ボーイズに敗れたが、札幌北広島ボーイズには11―3の5回コールドで大勝。体調不良でベンチの外から見守った寺西俊一監督(73)に成長した姿を見せた。
札幌ボーイズが“実りの秋”を迎えた。第2節の初戦は札幌豊平に3―6で競り負けたものの、続く札幌北広島戦は打線爆発。初回に4番・後藤海斗(2年)の先制打など二塁打3本で2点を奪うと、2回は3番・小野暁世(2年)の2点二塁打や犠飛、スクイズなど多彩な攻めで大量9点を加え、勝利を引き寄せた。
第1節で、これまでは格上の存在だった札幌手稲を撃破。「あそこで打ち勝てたのが大きかった」と後藤が言う通り、おぼろげだった自信は確信に変わった。後藤は第2節の2試合で計5打数4安打3打点。頼もしい中軸に導かれ、誰もが迷いなくバットを振った。
チームは2018年にボーイズリーグへ加盟したが、21年は部員不足で参戦断念。22年から1年生だけで再出発し、今季も1、2年生だけで3年生主体のチームと戦ってきた。前半戦は連敗が続いたが「勝ち負けより一歩ずつ前へ」と内容を重視。新チーム同士の対戦では経験値も生きて見違える存在感を発揮している。
体調不良の寺西監督に代わって指揮を執った石崎太一コーチ(22)は「選手の表情に自信が見えてきた。ベンチ内の競争も激しさが出てきたし、今後につながる」と成長を実感する。「いい試合をして寺西監督を安心させたい」と小野。“大豊作”の秋となるか。(石井睦)
札幌豊平は第1節で黒星発進も、第2節で2連勝した。それでも黒岩公二監督(49)は「つなぐ意識がまだ足りないし、投手も安定感がない」とシビアに評価。2試合で6打数5安打と打ちまくった6番・工藤潤(2年)も「強いスイングを意識しているけど、まだ練習量は足りない」。180センチ、68キロの強打者はさらなる破壊力を求めていく。