9月半ばになり、朝夕は涼しくなってきた。そうなるとアユからグレに釣りのターゲットが切り替わる。ただし、漫然とやるのでは面白くない。この数十年間、毎年、何かテーマを掲げてやってきた。
さあ、今シーズンのテーマ(というか目標)は、「南紀で55センチのグレを釣るぞ!」だ。簡単なことではないことは百も承知だが、努力は惜しまない。まず、大グレが出る釣り場に通い詰めるのが一番の近道で、やはり串本大島・樫野地区になる。私が知っている限りでは、57センチを筆頭に55センチ以上の口太が数多く仕留められている。釣り場は、ここしかない。
次はウキだ。大きいグレになればなるほどウキに出るアタリは小さい。そこで、小さなアタリでも捉えられるように体積が小さく、遠投が可能で、遠くでも見やすいウキを作ることが二つ目のテーマになる。構想は早くからあった。梅雨頃から、今シーズンに向けて視認性の高いオレンジ一色のウキを作ってきた。小粒でよく見えるウキは、大グレ狙いだけでなくグレ釣り全般で活躍してくれるはずだ。
秋磯の開幕当初は、食べておいしいシマアジのシーズンインでもあり、グレとシマアジの二刀流で楽しみたい。私がお薦めの釣り場は、まずは串本町・安指の「双子」と「牛の背」。ほかには串本町・田子にある「地のカッサキ」と「フナツキ」、串本町・袋の「モブシ」辺りだ。
コッパグレを筆頭に餌取りが多い秋は、どうしてもタナを深くしがちだが、それはNG。30センチ以上のグレを釣りたいなら、タナは浅く。餌取りの下ではなく、上を釣るイメージでやるといいだろう。シマアジもそんな浅いタナで釣れる。
◆藤原 義雄(ふじわら・よしお)1950年9月20日、徳島・鳴門市生まれ。72歳。21歳からグレ釣りを始め、数々のトーナメントで活躍。「ゼロスルスル釣法」の考案者。がまかつ、マルキユーなどメーカー数社のインストラクターを長年務める。グレ闘友会会長。和歌山県白浜町に在住し、南紀の磯釣りに精通。プロ野球は大の巨人ファン。