【巨人】誰からも愛される人柄 熱く、そして優しい男・戸郷翔征は必ず報われる…担当記者コラム

スポーツ報知
笑顔を見せる戸郷翔征(カメラ・相川 和寛)

 巨人の戸郷翔征投手(23)は熱く、そして優しい男だ。8日の中日戦(東京D)で自己最長の10回、140球を投げて3安打無失点の力投も打線の援護がなく白星をつかめず。それでも「球数的にはもう1回投げられた」と淡々と語った姿は、まさにエースという言葉がよく似合うものだった。

 戸郷の投球やチームを思う熱い気持ちはもちろんだが、温かで優しい人柄も魅力の一つ。記者に対しての気遣いも忘れない。G球場で練習を見ていた私に「これ、よかったら飲んで~」とスポーツドリンクを手渡してくれたこともあった。思うようなピッチングができず悔しい時でも真摯(しんし)に取材に応じてくれる。記者の名前を覚え、自ら声をかけてくれることも多い。今年の球宴では、いつも取材を行わない他球団担当の記者から「戸郷くんはこんなに話しやすくて、丁寧に取材に応じてくれるんだ!」との驚きの声が上がった。チームトップの勝利数を誇り、WBCでは世界一にも輝いた。それでも決しておごることはなく、親しみやすい人柄にチームメートはもちろん、私たち記者も心を奪われている。

 G球場での先発練習の際には戸郷の姿を一目見ようと集まったファンの方たちへ、毎回30分ほど時間をかけてサインを書く。1人1人の目を見て笑顔で対応し、子供には積極的に声をかける。汗を拭いながらサインを終えた右腕は「ファンの方たちもわざわざ暑い中、待っててくれるからね」とさわやかに笑った。

 誰からも愛される投球と人柄を持つ右腕。ここまで5試合連続で白星をつかめていないが、その姿はかならず報われる。戸郷にはこれから先、もっともっと偉大な投手になってもその優しい心を忘れないでほしいと願う。いや、戸郷ならきっとこれから先も変わることはないだろう。(巨人投手担当・水上 智恵)

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