関西六大学野球秋季リーグ戦は2日に開幕し、16日から第3節を迎える。大商大が同校3度目となるリーグタイ記録の4季連続優勝を果たすのか。大経大、龍谷大、大院大、京産大、神院大が常勝軍団の連覇を止めるのか―。各大学の注目選手を紹介する。
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大経大の柴崎はリベンジに燃えている。「春は大商大に目の前でマウンドに集まられて悔しかった。何としても、やり返したい」。屈辱の光景は、記憶に強く刻まれている。
1年春からリーグ戦に出場し、2年春に打率2割7分8厘で、初のベストナインを受賞した。一転、秋は1割8分4厘と低迷。「春以上に打たないといけないと思っていた」。重圧で春の自分に敗れた。
何かを変えたいと、ひと冬で体重を約7キロ増やした。「野手の近いところでも、抜けるようになった」。打球速度が上がり、武器である50メートル走6秒の脚力も衰えていない。単なる増量にしない意識で、瞬発系トレーニングを重視。今春は打率3割1分7厘、2本塁打でベストナインに返り咲いた。
肩肘の故障が多く、岐阜第一高時代に投手から外野手に転向した。3年時はコロナで春夏の甲子園が中止。大学進学直後は、投手の球の強さに打球が前に飛ばなくなったが、一つずつ乗り越えてきた。「優勝に貢献した結果、タイトルにつながれば。自分との勝負」。今秋こそ、春の自分を超える。
◆柴崎 聖人(しばさき・まさと)2002年4月4日、兵庫・伊丹市生まれ。21歳。稲野小1年から稲野エンジェルスで野球を始め、投手と内野手。伊丹西中では高槻中央ボーイズでプレー。岐阜第一で外野手に転向し、2年春からベンチ入り。3年夏は独自大会で4強。遠投110メートル。