関西六大学野球秋季リーグ戦は2日に開幕し、16日から第3節を迎える。大商大が同校3度目となるリーグタイ記録の4季連続優勝を果たすのか。大経大、龍谷大、大院大、京産大、神院大が常勝軍団の連覇を止めるのか―。各大学の注目選手を紹介する。
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昨秋、シーズン最多5本塁打のリーグ記録を樹立した大商大・渡部には、自身の記録を更新すること以上にこだわりがある。「チームを勝たせる一打」。本塁打でベンチが活気づくことを誰より知っているが「単打が欲しい場面では、低い打球のヒットを狙う。4番打者で上級生なので責任がある」と、チーム打撃を強調した。初の日本一を目指し、まずはリーグ4連覇に神経を集中させる。「関西もレベル高い。勝って当たり前のプレッシャーに負けないように戦いたい」と、自身に言い聞かせた。
今夏は大学日本代表に初選出され、上田と米国に遠征。日米大学選手権は3勝2敗で2大会続けて優勝したが、驚いたのが相手選手のスイングだ。「初球からどんどん振ってくるし、追い込まれたときも三振を怖がらず初球を打つぐらいで思い切りくる。チームでも取り入れたい」。4戦目では本塁打を放った。「米国の投手は素早く投げるので、(左)足を上げる打法では詰まらされると思った。練習のときから、すり足に変えたらタイミングが取れた」と切り替えが奏功し、自信を深めた。
上田や野中、広陵時代からチームメートの高ら1学年上の先輩には思い入れがある。「僕が1年生の時から、上田さんたちはチームを引っ張ってくれた。今、3年生で4番を任されている僕が打って、最後まで勝って4年生を送り出したい」。150キロ超トリオと共闘できる最後のシーズン。先輩の力投に応えるべく、自身の一打で勝利を呼ぶ。
◆渡部 聖弥(わたなべ・せいや)2002年8月31日、広島・府中市生まれ。21歳。市立南小1年から府中南少年野球クラブで始め、府中第一中では府中野球クラブに所属。広陵では1年秋から正三塁手。2年センバツは2回戦敗退。2年秋から「4番・中堅」。高校通算30本塁打。大商大では1年春に平古場賞(新人賞)、2年春に首位打者、1年春と2年春秋の計3度ベストナイン。50メートル走6秒1。遠投110メートル。