釣り業界の気になる人に話を聞く「直撃インタビュー トップに聞く」。今回は、日本釣用品工業会(略称・日釣工)で釣りフェスティバル実行委員長を務める荒井一郎さんを直撃した。4年ぶりにオンライン配信がない完全リアル開催となる「釣りフェスティバル2024inYokohama」(2024年1月19~21日、横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜)では、ニジマス釣り体験や釣りめしスタジアムの人気企画が復活。さらに釣り具販売の制限を大幅に緩和するなど攻めの姿勢で来場者5万人を目指している。
入場料金値下げも
来年の釣りフェスティバルは4年ぶりに完全リアル開催となる。キーワードは「復活」だ。「リアルの良さを伝えたいので、お子さんに人気だったニジマス釣りや金魚釣り、そして魚料理を集めた釣りめしスタジアムを復活させます」と荒井委員長は言う。オンラインではできなかった人気企画がよみがえる。
そして、人気の釣種別スタジアムもさらにパワーアップ。「船釣り、ヘラブナ、ワカサギ、フライフィッシング、ルアー(トラウト、ブラックバス、ソルト)の関連メーカーに出展の依頼をしていいます。このエリアにはキャスティングコーナーを設けて実際にロッドを振ってもらうことも考えています」とリアルの良さを十分に生かすつもりだ。
来場者増加のため、入場料金の値下げにも着手した。「金曜日の来場者が少なかったので、19日のみ入場料は前売り1000円(当日1400円)とします。午後からしか入れないデメリットはありますが、土・日曜と違い、新製品をゆっくり見られるというメリットがあります」という。さらに19日限定でドリンクの無料サービスや抽選会の復活も検討されている。
これまで1月開催の釣りフェスティバルより、2月のフィッシングショーOSAKAのほうが入場者数が多かった。その理由の一つに釣り具販売がある。大阪釣具協同組合主催のフィッシングショーOSAKAでは、関西の有力釣具店などが出展し、特設会場で釣り具などを販売。特別価格で釣り具が買えるとあって大人気となっている。
一方、釣りフェスティバルは釣り具メーカーで組織されている日釣工が主催。釣具店への配慮もあって釣り具の販売は禁止していた。2015年からは釣り具以外の限定品を販売するようにはなったが、出展社からは釣り具販売解禁を求められていた。そして、次回は「釣り具以外」という制限が大幅に緩和される。「釣りフェスティバル限定カラーのルアーなど、カタログに掲載されていないものであればOKです」と荒井委員長。各メーカーが、どのようなものを用意するか注目される。
初心者向け企画も 釣り初心者向けの企画も強化する。「釣り学校とにぎわいマルシェを企画中です。釣り学校では初心者向けの釣りをインストラクターがレクチャーします。にぎわいマルシェは釣りや魚にまつわるアート作品やグッズを販売します」
来年の釣りフェスティバルの目標来場者数を5万人に設定している。「目標達成のためにいいと思ったらやっていきたい。あらゆる障壁を取り払うつもりでがんばります」と荒井委員長は意気込んでいる。(高田 典孝)
荒井委員長は恒例イベントになっている「アングラーズアイドル」と「クールアングラーズアワード」も重要なものと考えている。「どちらも華やかなイベントなので、釣りフェスティバルには欠かせません」とした上で「アングラーズアイドルは釣り界のアイドルなので、業界を挙げて盛り上げていきたい。クールアングラーズアワードは、釣り好きの著名人を会場にお呼びするので、正直に言ってすごく盛り上がります。現在、選考中なのでお楽しみに」とともに今後も続けていくことを明言した。
多くの来場者が楽しみにしているステージイベントも充実を図る。「オンライン開催から始まった各社のフィールドテスターを集めてのトークイベントは好評だったので、さらに発展させていきたい。プロアングラーの話が聞けるのは釣りフェスティバルならではのものなので、これも大事にしていきたい」
釣りフェスティバルの開催中には、さまざまなイベントが行われる。その中で荒井委員長が目指しているのは釣りの地位向上と釣り人口の増加だ。「釣りフェスティバルを通じて釣り人を増やしていきたい。そのためにも釣りは安心で安全であることをアピールして、同時に正しいマナーの啓発も地道にやっていくつもりです」と語った。