【仙ペン】「ドラフト4位」には福がある

スポーツ報知

◆JERA セ・リーグ 巨人2―1中日(10日・東京ドーム)

 オリックスの山本由伸が歴史の扉をこじ開けた。2年連続のノーヒットノーラン達成。82年ぶり史上3人目の記録だそうです。完投すらレアな投手受難の時代に、この快挙だ。カネやん以来となる3年連続の沢村賞も当確でしょう。

 「球のスピードとキレが魅力。総合的に高く評価できるし、3位までには消える」―。2016年の宮崎大会。都城のエースを視察した巨人のスカウト部長のコメントだ。痛恨の極みである。

 3位までに消える? 冗談じゃない。4位まで残っていたじゃないか。どうして指名しなかった。あの年のドラフトで巨人は吉川を外れ外れ1位で獲得。あとの6人は全員投手だ。山本を獲得する余地は十分にあったのに…なんてね。

 今となっては誰だって言える。後づけ&後の祭りです。そもそもドラフトの順位通りに活躍するなら、面白くも何ともない。あのイチローさんだって4位。千賀に至っては4位は4位でも育成だ。プロの世界に入ったら、誰もが一斉スタートなんだから。

 そんなわけで、我らがドラフト4位も進化が止まらない。門脇です。打って守って走って送れるパーフェクトな2番打者。3位までに指名しなかった他球団のスカウトに感謝したい。いや、ホントに助かった。

 だって、坂本と岡本和の守備位置を動かした男ですよ。今回のシャッフル的コンバート。門脇の存在なくしては決断できなかったと原監督も言っている。すごいよね。球団史に残る大事件と言ってもいい。日本ハムの張本さんが移籍してきて高田さんが外野から三塁へ移って以来の…って例えが古過ぎるよ。

 遊撃という厳しいポジション。固定するだけでも至難のワザだ。それなのに巨人では2代続けて長期政権の可能性が出てきた。これって、かなり奇跡的なことだと思う。山本の沢村賞のように、門脇には「遊撃のゴールデン・グラブ賞」を指定席にしてほしい。

 さて、火曜日からは甲子園。上昇気配に乗りかけたところで、阪神にペチャンコにされるのが今季のルーチンだ。ここは意地を見せようよ。ラグビーW杯は開幕したからって「セ・リーグの灯」が消えていいワケがない。

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