将棋の棋士養成機関「奨励会」第73回三段リーグ最終節の対局が9日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、15勝3敗の宮嶋健太三段(24)と14勝4敗の上野裕寿三段(20)が四段(棋士)昇段を果たした。10月1日付。
藤井聡太七冠以来、史上6人目の中学生棋士を目指す中学3年生の山下数毅三段(15)の昇段はならなかった。3位で次点を獲得し、来期に臨む。来期の三段リーグには同じく中学3年の炭崎俊毅三段(15)が参加。山下と炭崎が中学生棋士となるチャンスはあと1期残されている。
岐阜市出身で大野八一雄七段門下の宮嶋は「13年の奨励会生活でしたので、棋士になれない可能性も高いんじゃないかと思って最後の方はやっていた。棋士になれてほっとしています」と安どの表情。得意戦法は相掛かり。尊敬し、対戦したい棋士は澤田真吾七段。
趣味はスポーツ観戦で「ボクシングの井上(尚弥)選手やF1の角田(裕毅)選手を応援しています」と明かした。
同じ岐阜県出身の高田明浩四段が21年にプロ入りをしたときが「一番悔しかった」とし、「タイトルに絡んで活躍出来る棋士になりたいです」と意気込んだ。
兵庫県加古川市出身で井上慶太九段門下の上野は「プロ入り1期目から活躍して、タイトルをとりたいと思います」と目標を掲げた。新人王戦では伊藤匠七段や増田康宏七段などを破り、決勝に進出している。得意戦法は矢倉。対戦したい棋士は郷田真隆九段。
上野も趣味はスポーツ観戦で「阪神タイガースの大ファンです。(阪神ファンの)師匠よりも(好き)だと思います。昨日も阪神―広島の携帯速報を見ていて、阪神が勝ったので、気分がよかったです。注目している選手は佐藤輝明選手です」と今日一番の笑顔を見せた。(瀬戸 花音)