7月の川口で女子オートレーサーとして初めてG1を制した佐藤摩弥(31)=川口=が9日、立川競輪場で、多くのファンを集めてトークショーを行った。
ロングジレを羽織り、颯爽と登場した佐藤。「サトマヤ~」の声援に手を振り、笑顔笑顔。周りを和ます雰囲気を作った。「オートを生で見たことありますかぁ」の問いに、ほとんどの人が、先生と生徒の関係のように「ハ~イ!」と受け応えた。女子選手として初のG1レーサーの話になると、まずホッとしたと言う。「SGの優勝戦は何度か経験していましたが、私の中でG1優勝して、段階を踏んだ上で、SG優勝を目指したい。だから気持ち的にホッとしたし、次のステップに進みたいですね」。開催中に通算300勝を達成、その直前には地元の川口で連覇。「勢いも必要ですね」。
5歳のときからオフロードのモトクロスを始め、2010年に31期として選手養成所入所試験に合格、翌年2月、川口のデビュー戦は2着だった。トップスピードは150キロの速さ。オーバルでは一瞬の体感はもっと速く感じると言う。「恐怖感がまったくないと言えば嘘になりますが、事故はしたくない。走っている選手はプロなので、信じ合ってレースをしている。始めは女性は無理でしょうと言う雰囲気はありましたが、私は負けず嫌い。見返してやろうの気持ちが強かったですね。女性に負けたら引退するなんて言っていた選手が『マヤちゃん』って言うんですよ(笑い)。」と当時を振り返る。そして今は「とにかく結果で注目されたいですね」。女子トップレーサーとして重責を担い、前進あるのみだ。
オートレースは開催中以外は練習もできない。だから朝から晩までエンジン調整に余念がない。「2分間のレースのため、ファンが知らないところで何時間も整備をしている。結果につながらないときもある。モチベーションを保つのも仕事のひとつです」。ふだんは完全オフ。インドア派で、ため撮りしたドラマを見ている。最近はゴルフも。そして美容にも。「You Tubeで(女子の)荷物チェックなどありますので見て下さい」。オートレースの発展に尽力する。
14日開幕の浜松オート「特別G1プレミアムカップ」に出走予定。近況は調子が上がってこない佐藤にとって復調へきっかけを作りたいシリーズ。「前回の川口最終日で1着を取り、気持ち的には上向いている。エンジンを全部ばらして大きく調整したい。いいエンジンでないとスタートも切れないので」。
クイズ形式で「サトマヤ」サイン入り帽子やポロシャツをファンにプレゼント。終始、和やかなトークショーだった。