宝塚歌劇月組ミュージカル「フリューゲル ―君がくれた翼―」の新人公演が7日、兵庫・宝塚大劇場で上演された。
ベルリンの壁が東西を分ける1988年のドイツを舞台設定に、東ドイツの広報官ヨナスと西ドイツの人気女性歌手ナディアが衝突しながらも次第に心を通わせるストーリーを主軸に、多彩なドラマが展開される。
第103期の瑠皇(るおう)りあが、入団7年目の新人公演ラストイヤーで待望の初主演を果たした。ドイツ語で「翼」を意味する題名とベルリンの壁に引っかけて、カーテンコールのスピーチでは「東京の新人公演(10月26日)に向けて、きょうできた課題を克服し、全員で夢という名の翼を広げて」「様々な壁を壊せるように」と精進を誓った。
終演後の会見では「ありきたりですが、トップさんの(照明の)ライトはすごくまぶしくて、夢見心地で歌わせていただきました」と笑顔。シリアスとコメディーが入り混じる難しいストーリーを、中心に立って丁寧に演じ、本役のトップスター・月城かなとを思わせる美貌と強い眼力で観客を引き付けた。
ナディア役は、4年目の花妃舞音(はなひめ・まのん)。「今夜、ロマンス劇場で」(22年)に続いて2度目のヒロインを務めた。「新しい挑戦が多い役。わがままな感じが嫌に見えないよう、心の壁を壊す存在になれるか、塩梅が難しかった。東京に向けてまた、研究していきたい」と前進を誓った。