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【ボートレース】選手への道は断念・・・戸田ボートに全国初の女性1級整備士が誕生…記者コラム

スポーツ報知
女性初の「モーターボート1級整備士」として戸田ボート場で働く篠田栞さん

 戸田ボート場で整備士として働く篠田栞さん(30)は高校時代、同場で地元の中里昌志(54)=69期=が優勝した姿を見て「これだ! ボート選手」と、その場で進路を決めた。高校卒業と同時に戸田で艇運(ボートの運搬補助)のアルバイトを始め「ボートレーサー養成所」への入所試験を受け続けたが、不合格。「もう恥ずかしくて言えないほど受験しました。15回は受けたでしょうか」と笑って振り返った。

 試験は最高で3次(最終)まで進んだが、吉報が届くことはなかった。「いつまでもダラダラ受けていてもダメ。けじめ、切り替えることも必要」と考えるようになり、25歳で選手への道は断念。しかし、熱意は冷めず、整備士への転身を決めた。ピットで選手への整備許可、立ち会い、助言、部品の管理等が主な仕事。「モーターボート2級整備士」の資格を取得後3年以上の実務経験が必要で、合格率50~60%と言われる1級に挑戦し、7月13日、見事合格を果たした。

 全国24場で整備士は213人(女性は篠田さん含め2人だけ)いるが、1級整備士は73人。“女性初”という新たな一歩をしるした。出走表などで「クランクシャフト交換」という文言を目にしたことがあると思うが、選手が考える最後の大整備だ。「選手から感謝の言葉を聞くと、すごくやりがいを感じますね」と篠田さん。

 どの世界でも華やかな表舞台の裏には、必ずそれを支える人がいる。選手として表舞台に立てなかった篠田さんだが、ボートレースの公正、公平、さらに安全を裏で支える一人である。

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