【巨人】首脳陣の下積み講話で3軍に活気 駒田徳広監督はコミュニケーションを意識

スポーツ報知
駒田徳広3軍監督

 今年から2014年以来、9年ぶりに巨人担当に復帰した。当時取材していた選手たちで現役を続けているのは数えるほど。時の移り変わりの早さを感じるが、もう一つ驚いたのが、育成選手たちを中心とした3軍が活気にあふれていることだ。

 以前はまだ3軍としてのチーム編成はなく、後藤孝志さんら数人の育成コーチが育成選手を中心に指導していた。それがいまや駒田監督をはじめ、小笠原打撃コーチ、杉内投手コーチら、3軍だけで8人の首脳陣がそろう。

 そんな多士済々なコーチたちが今春、3軍の選手たちに“講話”をした。テーマは何でもOK。生い立ちやどんなことを考えてプレーしていたかなど、約20~30分話をしたという。駒田監督はその狙いを明かしてくれた。「原監督から『3軍のコーチ陣は素晴らしい実績や経験を持った人ばかり。せっかくだから、現役時代の自慢話になってしまうとか思わずに、話をさせてみたら。何か選手たちにひとつでも響くものがあればいいんだから』とおっしゃっていただいて、じゃあやってみようと。それで、1人ずつジャイアンツ球場の食堂で話をしてもらったんです」

 講話を聞いた10代や20歳前半の選手たちにとっても、コーチたちがより身近に感じられたようだ。高卒2年目の笹原操希外野手は「杉内さんは社会人に入った時は全然球速が上がらなくて、めちゃくちゃウェートしたら150キロ出るようになったという話をしていて、自分もウェートに取り組んでいるので励みになりました。ガッツさん(小笠原コーチ)も社会人では金属バットで、プロに入った時は木製で外野まで飛ばなかったけど、それから必死で振り込んだ話をしてくれました。選手時代の活躍は知っていましたけど、下積みの話はなかなか聞けないですし、自分の努力次第で変われると教えてもらいました」と目を輝かせた。8月19日のイースタン・ヤクルト戦(G球場)では初本塁打を記録するなど、さっそく効果が表れている。

 駒田監督は3軍を指揮する上でコミュニケーションの大切さを説く。「普段から一方的なティーチングだけにならないように意識しています。選手とコーチでコミュニケーションを取って、選手たちからも話をさせるようにしています。ぬるいと思われるかもしれないけど、昔とは時代が違う。ただ厳しくやれば育つものではない。そうやって変えていこうと取り組んでいます」。近い将来、3軍から大きく羽ばたく選手が出てくるかもしれない。(巨人担当サブキャップ・井上 信太郎)

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