【こちら日高支局です・古谷剛彦】函館&札幌開催は前年比100%超えの大健闘

スポーツ報知
札幌競馬場

 JRA北海道シリーズは、3日の札幌競馬で終了した。昨年までの北海道と違い、今年は猛暑が続き、最終週も最高気温は30度を超えたほど。函館開催は6週間で903億1806万2300円(前年比103%)、札幌開催は7週間で1270億7130万5200円(前年比103.7%)と、どちらの売り上げも前年を上回った。

 函館と札幌の合計で考えると、コロナ禍以前となる19年は1550億円弱だったが、この年までは札幌開催が6週だった。20年以降は、札幌開催が7週となったことに加え、新潟との2場開催が始まったこともあり、売り上げは飛躍的に伸びた。20年以降のJRA北海道シリーズの売り上げの推移は、約1927億円、約2028億円、約2101億円と順調に売り上げは伸び、今年は2173億8936万7500円(前年比103.4%)を誇った。新潟と小倉は、夏競馬の売り上げが前年比で100%を割るなど、売り上げの上げ止まり感が強まるなか、函館と札幌ともに前年比で100%を超えたことは、大健闘と言える。ローカル開催の扱いとはいえ、函館記念は3場のなかで単独重賞の日という利があり、夏競馬で最も盛り上がる札幌記念は好メンバーがそろった。この2つの重賞は、発走時刻がメインレースのなかで最も遅く設定されているが、G1デーのような盛り上がりがファンにも定着し、重賞そのものの売り上げ以上に、他のレースの売り上げが伸びている印象を受ける。

 来年の夏競馬は、暑熱対策として北海道を除く競馬場で、発走時間の工夫が施される案が発表されている。他場が中断している時間帯に、北海道のみレースが行われる時間帯があることが想定されるので、来年はさらに売り上げアップが見込まれる。北海道も年々、気温が上昇している。ただ、本州に比べれば全然ましで、函館と札幌をもっと有効的に活用すべきだと感じる。例えば、ダービー後の東京開催は2週のみ行い、福島開催を12年までの6月中旬に開幕し、七夕賞で夏競馬のフィナーレを迎えるスケジュールに戻す。7月中旬以降の福島は暑さも厳しいので、福島を前倒しにする代わりに函館と中京の2場開催にする。中京開催なら、美浦からの輸送もしやすく、新潟と札幌の2場開催とのバランスも取れる。西が中京をメインにする際、東の主場を函館で行うことで、首都圏で函館競馬をクローズアップする形でコンビニなどに新聞が置かれ、テレビやラジオの放送でも函館が東で行われる。これはあくまで1つの案だが、猛暑と言われる時期の開催をあらゆる方面からアイデアを出し、より売り上げを伸ばす方策を検討していく時に差しかかっている。JRA北海道シリーズは、夏競馬における重要なコンテンツであることは間違いない。札幌閉幕を告げる最終レースの時の拍手を聞くと、ファンに愛されている競馬だということも実感する。来年のJRA北海道シリーズも、さらに白熱した競馬を願いたい。(競馬ライター)

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