将棋の第13期女流王座戦挑戦者決定戦が5日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、先手の加藤桃子女流四段が西山朋佳女流名人=女王、女流王将=に133手で勝利し、里見香奈女流王座=白玲、清麗、女流王位、倉敷藤花=への挑戦権を獲得した。対局後、里見と加藤が並んで会見に臨んだ。
前期と同一カードとなった。1年ぶりタイトル挑戦となる加藤は、女流タイトルをすべて里見と西山で分け合っている現状を踏まえ、「2強の体制が続くのはあまりよくないことと個人的には捉えています。でも、強いので、しょうがないのですか、ここで諦めるわけにはいかない。食らいついていきたい。たまには加藤が出てスパイス的な存在になってもいいかなというふうにも思っています。盛り上げつつも、虎視たんたんと狙っていきたい」と意気込んだ。今期奪取すれば通算5期目で「クイーン王座」の永世称号を得る。
一方、里見は加藤について「勢いのある将棋で挑戦を決められた印象がある」と語った。
また、王座戦で八冠制覇を目指す藤井聡太七冠を念頭に、自身の全冠へは「まだそういう実力がない」と話したが、「自分の力を出し切れるように精いっぱい頑張りたい」と女流王座連覇を目指す。第1局は10月25日、東京・文京区「ホテル椿山荘東京」で行われる。(瀬戸 花音)