将棋の第3期白玲戦七番勝負が2日、東京・港区「グランドニッコー東京台場」で行われ、後手の里見香奈白玲=清麗、女流王座、女流王位、倉敷藤花=が挑戦者の西山朋佳女流名人=女王、女流王将=に124手で勝利した。里見が連覇へ白星発進となった。
西山は終盤、脇息(きょうそく)にもたれかかり、額を押さえていた。先に秒読みに入り、口元を押さえながら、懸命に指し手を進めたが、前のめりに座ったままの里見は崩れなかった。
勝利した里見は「居玉での戦いになり、強気にいきすぎてたかなと思うのですが、中央が手厚くなってからは少し指しやすいのかなと思いました」と一局を振りかえった。
西山は初手で3筋に飛車に振り、里見も20手目に2筋に飛車を回った。21手目には西山が4筋の歩をぐいっと進める強気の変化の手を見せる。序盤から戦う姿勢を前面に出していた先手だが、中終盤は後手が慌てず、丁寧に対応し、「攻めが止まってしまった」(西山)。
両者の対戦成績はこれで里見の30勝25敗に。タイトル戦での激突はこれまで12回で、獲得は6回ずつときっ抗中。「次は先後が決まっているのでしっかり準備して挑みたい」と里見。「調子を整えて挑めたら」と西山。里見が連勝か、西山が再奪取へ星を戻すか。第2局は9日、鹿児島・指宿市で指される。(瀬戸 花音)