世界的指揮者の小澤征爾さんが2日、長野・松本市内で行われた総監督を務める音楽祭「セイジ・オザワ松本フェスティバル」のオーケストラ公演で姿を見せた。
この日は、映画「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」シリーズなどの音楽を手掛けたことで知られる映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズが指揮する特別プログラムが行われた。アンコールの「レイダース・マーチ」の演奏を終えたウィリアムズが舞台袖に目を向け「セイジ!」と呼びかけると、車いすに乗ったマスク姿の小澤さんが姿を見せ、場内からはどよめきが起きた。
2人は、小澤さんがボストン交響楽団の音楽監督を務めていた1980年に、ウィリアムズがボストン・ポップスの首席指揮者に就任した時からの40年以上の交流がある。今回、ウィリアムズは30年ぶりの来日となったが「今回は、小澤さんの功績を褒めたたえるために(日本に)来ました。彼は世界に誇ることのできる日本人であり、マエストロです」と小澤さんに変わらぬ尊敬のまなざしを見せた。
小澤さんは近年は体力の低下などを理由に、演奏会で指揮台に立っていない。そんな小澤さんを励ますかのようにウィリアムズは「スター・ウォーズ」シリーズ内の代表曲「ダース・ベイダーのテーマ」を演奏。その後にステージ中央に進んだ小澤さんと固い握手を交わすと、場内はこの日一番の歓声が上がり、総立ちとなった。