裾野リトルシニア、佐藤裕徳監督(50)が見つめるグラウンドは、選手の笑顔や活気であふれている。22年1月にヘッドコーチから監督に昇格し、全国制覇も経験。先月21日に行われたジャイアンツカップでは堂々の全国準Vを果たした。練習では選手との会話を大切に「チャンスをつかむ方法」のヒントをナインに伝える。
「体が小さいからダメではない。どんな子どもたちでも絶対に活躍できる場所を必ず与えたい」
自身が中学時代に一緒にプレーしたスーパースターの「おまけで入学した」甲子園優勝経験のある日大三高。特別に体が大きいわけでもなく入部直後はメンバー外が続き、生き残る手段を必死に考えた。「どこにバントを転がせば出塁できるか」。50メートル5秒台の俊足を武器にバントの小技、盗塁などを必死に磨いた。少ないチャンスを確実に生かし、遊撃手のレギュラーポジションをつかんだ。
「学童野球でそこそこ活躍した選手がうちのチームには入ってくる。活躍できるということは必ずそれぞれ長所がある」。練習中には選手に質問を投げかけ、自ら考える場を与えさせる。そこには「チャンスをつかむ方法」などの言葉もたくさん含まれている。
好きな言葉は「練習はうそをつかない」。指揮官が青春時代に学んだ努力の大切さを、未来の高校球児に伝えていく。
(森 智宏)
◆佐藤 裕徳(さとう・ひろのり)1972年12月5日、御殿場市生まれ。50歳。小学校4年生から野球を始め、中学から親元を離れ東京・深川ポニーでプレー。中3の時には全国大会準優勝を経験。高校は名門の日大三高で遊撃手として活躍。13年に裾野リトルシニアのヘッドコーチに就任し22年1月に監督に。170センチ、80キロ。右投右打。