【巨人】本塁打だけじゃない!巨人・岡本和真の勝利打点にも注目せよ…記者が思う

スポーツ報知
岡本和真

 巨人の岡本和真はセ・パ両リーグ最多の34本塁打(8月31日現在)。同日現在でシーズン41本ペースだから、これまでに最も多かった21年の39本を上回り、初めて40本の大台に届くかもしれない。他にも今年は勝利打点が16度。こちらは21年の15度を抜いて、すでに自身のシーズン最多記録となっている。

 ところで、この勝利打点についてルールをご存じだろうか。試合で勝利を決める打点を挙げた選手から、次に該当する一人に与えられる記録だ。

 〈1〉先取点を取ったチームが一度も追いつかれることなく、最後までリードの状態を保って勝った場合は、最初の得点をたたいた打者。

 〈2〉途中で同点、逆転など試合がもつれた場合は、最後の勝ち越しとなる得点をたたいた打者。

 試合に勝っても〈1〉最初の得点、または〈2〉最後の勝ち越しとなる得点が、失策や暴投、捕逸などで打点にならなかった場合、該当者はなしとなる。

 勝利打点はセ・パ両リーグで1981年から採用。シーズンを通して最も回数の多い打者を「最多勝利打点打者」として、連盟から表彰された。しかし、前記〈1〉、〈2〉の条件を満たせば内野ゴロの併殺崩れで入った1点でも該当するなど、その評価に疑問符がつき88年で廃止。その後はセ・リーグが独自に2000年まで特別表彰として続けた。

 わずか8年間の“タイトル”は、セ・リーグで6人(8度)、パ・リーグで9人(11度)が受賞。セでは原辰徳が82、83年、クロマティが84、86年と、半分の4回を巨人の2人が獲得した。現在、公式記録で勝利打点の扱いはないが、NPBの資料には「決勝打」の欄に選手名が残されている。

 1950年の2リーグ制後、シーズンで最も多かった決勝打(勝利打点)は、63年南海の野村克也で28度。セでは50年松竹の小鶴誠で23度。巨人では09年に小笠原道大がマークした22度を最多に、次いで63年と66年の長嶋茂雄、78年の王貞治、12年の阿部慎之助が21度、83年の原辰徳20度と、チームで20度以上は5人(ほかに70年王、08年小笠原が20度で計8度)だけ。岡本和がどこまで増やせるか注目したい。(阿部 大和)

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