NHK大河「どうする家康」答えにくすぎる上司からのド直球質問にたじろぐ石川数正…謎の行動解明へ…第34回みどころ

スポーツ報知
豊臣秀吉を演じるムロツヨシ

 嵐の松本潤が江戸幕府初代将軍の徳川家康を演じるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜・後8時)の第34回「豊臣の花嫁」(3日放送)で、豊臣秀吉(ムロツヨシ)が妹の旭(山田真歩)を家康に嫁がせる。

 家康に「小牧・長久手の戦」では敗れながらも、総大将の織田信雄(浜野謙太)を丸め込んで和睦。織田信長(岡田准一)の遺志を継いで天下統一を目指す秀吉にとって、目下の課題は自分より強い家康を臣下にすること。あの手この手を使って家康を上京させ、皆の前で頭を下げさせようとする。妹を嫁がせ、さらには母まで人質に差し出そうとする。内状よりも見栄えが大事なのは今も昔も同じ。宴会でも、大切なのは中身よりも来た人数だ。

 前週の第33回「裏切り者」(27日放送)では、徳川家の重臣・石川数正(松重豊)が豊臣側についた。幼少期から家康に仕え、様々な戦いやピンチをともに乗り切ってきた。それだけに家康にとってはショック大だ。SNSでも「誰も死なないけれど悲しい回だった」「初期メンなのに悲しいね」と寂しがる声が相次いだ。

 数正には秀吉の強さが見えていた。使者として何度も家康と秀吉の間を往来。さらに秀吉は武士なのに貴族の最高位・関白に就任し、ますます力が巨大になったのも間近で感じてきたのだろう。秀吉の臣下になることを家康や家臣に勧めても当然拒否。家康に「わしは秀吉に及ばぬか?」と聞かれ「あれは化け物じゃ。殿は化け物にはかないませぬ」と説明するのが精いっぱい。井の中の蛙(かわず)に海の広さを教えるだけでも難しいのに、上司に苦言を呈する大変さが加わっている。

 第34回では数正が家を出る際に残した物から、口数少ない数正が込めたメッセージがひもとかれそうだ。教科書や本だけで歴史を勉強していると、数正はただの裏切り者のイメージになってしまう。それでもドラマで様々な背景から立体的に描かれると印象が変わってくる。今作では、桶狭間の戦いから始まり、瀬名(有村架純)の人柄や市(北川景子)の言動など多くのオリジナルの解釈が描かれている。色々な可能性に思いをはせるのも歴史の楽しみ方だ。

 第33回の平均世帯視聴率は10・1%で微減。ライバルのテレビ朝日系「ポツンと一軒家」が9・4%になるなど、日本テレビの24時間テレビで混とんとした中で2桁を守った。ドラマもすっかり後半にさしかかりながらも、三英傑(信長、秀吉、家康)の時代はようやく秀吉の全盛期が来たくらい。いかに家康の我慢の時間が長かったのかを実感しながら、飛躍を待ちたい。(NHK担当・浦本将樹)

※視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区

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