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スポーツ報知紙面で2016年から大好評連載中のコラム、仙道学編集委員による「仙ペン」が、WEBに登場いたしました! 時に叱咤(しった)あり、激励あり、涙に笑いと、巨人の「今」をあらゆる角度から分析します。また、仙ペンのピンチヒッター・星野和明編集委員渾身の「星一筆」も随時掲載します!

【仙ペン】個人より巨人より「俺に回せ」

9回無死、プロ初となるソロ本塁打を放った岡田悠希(カメラ・相川 和寛)
9回無死、プロ初となるソロ本塁打を放った岡田悠希(カメラ・相川 和寛)

◆JERAセ・リーグ 巨人1―2広島(30日・京セラドーム大阪)

 個人より巨人。そして巨人よりミスターです。8月30日付のスポーツ報知で明かしていた現役時代のエピソード。王さんがアクシデントで離脱しても「さらに(自分が)目立つチャンス」と思っていたとは。何かが突き抜けてますよね。

 以前、長嶋さんはこんなことも言っていた。「自分の前を打つワンちゃんにチャンスで打席が回ってくると、頼むから打たないでくれと祈っていた」―。おいしいところは俺に残しておけというワケだ。

 だから、あの時はグッときたな。岡本和が決勝打を放った27日の阪神戦。ヒーローインタビューでのコメントだ。「俺に回してくれと思っていたので…」。いつもは慎重な言い回しに徹する男だけに驚いた。

 巨人の歴代4番って、口には出さないけど「長嶋イズム」の継承者なんじゃないかな。原さんも松井さんも慎之助さんもね。そうじゃなきゃ修羅場は越えられない。主砲不在で迎えた正念場。「俺が俺が」のミスターチルドレン、出てこいや~!

 そんなわけで岡田がプロ初本塁打。おめでとう。ルッキズムと怒られそうですが、顔立ちと同じ端正な打球が由伸さんを思い出させる。ただ、酷なことを言うと、その思い切りの良さは4回に見たかったな。「打って送れる捕手」の大城卓がお膳立てした1死二、三塁。ここは、よだれを流すおいしい打席でしょう。

 3ボール1ストライクからの5球目はド真ん中のカットボール。振ってほしかったな。あの場面で遠慮や過度な慎重さは罪だ。ミスターなら「待て」のサインが出たとしても平気で無視したはず。いや、比べる対象がデカ過ぎるよ。

 ならば門脇ならどうだったか。グイグイと勝負に出たんじゃないかな。2人の現在地の差ってこういうことから…いや、メモリアル弾を放った試合だぞ。ディスってどうする。

 ひょっとしたら次の次の打者が「俺に回せ」的な圧を醸し出していたのか。打者・菅野です。大瀬良との8球勝負こそ本日のハイライトだ。あれを見ることができただけでもと言うには痛すぎる敗戦ですが。それにしても今季の菅野。KOされても黒星がつかないのに、好投した時に限って白星が遠いって謎だ。

試合詳細

巨人

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