【こちら日高支局です・古谷 剛彦】北海道市場サマーセールが売り上げ総額75億円超えでレコード樹立

スポーツ報知
今年の北海道市場サマーセールで最高額となる5400万円で落札されたバルスピュール2022

 8月27日に札幌競馬場で雷雨があったが、その晩からようやく北海道らしい涼しさが戻ってきた。早くもJRA北海道シリーズは最終週を迎えるが、未来のスターホースが登場する札幌2歳Sほか、大いに盛り上がってほしい。

 さて、先週も少し触れたが、8月21日から25日までの5日間、北海道市場のサマーセールが開催された。売上総額は75億850万円(金額はすべて税別、前年比11億2240万円増)、売却率は78・07%(前年比0・62ポイント増)と前年を大きく上回った。売上総額はレコードを樹立し、売却率は17年78・58%に次ぐ2位だった。セール最高額は、4日目に上場されたバルスピュール2022(牡、父キタサンブラック)の5400万円で秋元竜弥氏が落札した。母のバルスピュールは、驀進特別など短距離で3勝した。母系の良さを引き出し、あらゆるカテゴリーで産駒が活躍しているキタサンブラックは、このセールで3頭が上場され、どの馬も1000万円を超えたなか、バルスピュール2022が最も高い評価を受けた。

 「上場頭数が増えたことは確かですが、購買者の方々が多くセリに参加していただいた結果に感謝申し上げます。また、牡馬だけでなく、牝馬も相対的に数字が良かったことは何よりでした」と、日高軽種馬農業協同組合の古川雅且組合長はセールを振り返った。セールが活況なのは良かったが、すべての日で終了時間が午後7時20分を過ぎていた。初日と4日目は午後8時を過ぎていた。周辺はホテルの数が少なく、宿泊できる人数は限られる。千歳から送迎バスが出ているとはいえ、午前8時から始まる比較展示に間に合うように出発し、競り終了後に千歳に戻るスケジュールだったことを考えると、購買者目線では厳しい状況だったと言わざるを得ない。

 「その日の後半の馬たちは競る人が少なくなってしまい、思ったほどの金額に達しなかった馬もいました。その辺りも含め、1日当たりの上場頭数は250頭ぐらいが適しているかと思いますので、様々な意見を集約しながら来年の日程を考えていかなければいけないと思っています」と、スケジュールの検討を示唆する。

 サマーセールだけで考えれば、日数を増やして6日間にした場合、土曜まで1週間で行うか、2週に分けるかの二択となる。それ以外に当歳市場を復活し、1歳市場の申込頭数を絞る効果を狙うことも視野に入れる時期に来たようにも感じる。離乳後の秋に行えば、時期的に札幌競馬場での開催も可能となる。これはひとつの案ではあるが、サマーだけの問題だけでなく、この後のセプテンバーセールの数字も重要となる。セプテンバーセールの結果が良ければ、販売申込者がもっとセプテンバーへ申し込む可能性が増す。北海道市場の課題は、改めてオータムセールが終わった後に、総括したい。(競馬ライター)

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