◆芸能生活25周年記念公演「THE 北翔まつり」
元星組トップスター・北翔海莉(ほくしょう・かいり)が芸能生活25周年記念公演「THE 北翔まつり」(9月14、15日=大阪・国立文楽劇場、同23、24日=東京・浅草公会堂)を行う。
1998年に宝塚に入団し、2016年に退団。18年には松竹新喜劇の藤山扇治郎(36)と結婚し、20年9月に長男・美治(よしはる)くんを授かった。「正直、1年前までは25周年を節目に子育てに専念するかな、とも思った」と勇退も視野に入れていたが、夫からは「みっちゃん(北翔の愛称)が舞台を降りたらアカンのちゃう?」と後押し。ファンからも「舞台を見ることが励み」と手紙をもらい「最近、心にグサグサと刺さる。恩返しの公演に」。題名も、年配客にも覚えてもらいやすいよう「シンプルに、ダイナミックに」との思いを込めた。
2本立てで、芝居の「先(ま)づ健康」は、夫の祖父の“爆笑王”藤山寛美さんの名作喜劇。主人公の老父を北翔が男役で、同居を受け入れる次男を扇治郎が演じ、“夫婦で父子”の異色の配役に。「家族に対する思いに心が温まる。私を知らない人も、身近に気楽に見られる作品」
続いては和物ショーで、歌劇で挑んだ日本もののレビューを届ける。殺陣のシーンもあり、「出産してから木刀を握っていなかったので一から修業させていただきました」と芸達者ぶりを発揮する。
この大舞台で、大阪開幕直前に3歳になる愛息・美治くんがデビューすることに。「生まれた時から楽屋で育ったような子。私たちの舞台姿をまねたり、ジャズを口ずさんだり。ある時から『よしくんも舞台に出たい』と言うようになったんです」。2歳になった時に日舞も始めた。「私と一緒に立つと、お互いに甘えが出る」と共演場面は予定していないとか。今後、両親と同じ舞台人の道を歩ませるかは「本人次第ですが、いろんなことを経験すればいいのでは」と母親らしい優しい表情を見せた。(筒井政也)