【箱根への道】国学院大「3大駅伝すべてで表彰台。その上で優勝狙う」 3本柱軸に箱根駅伝初優勝へ駒大に迫るチーム力

スポーツ報知
蓼科山を望む高地の土トラックでスピード練習に励む国学院大。エースの平林清澄(左端)らを中心に勢いがある(カメラ・竹内 達朗)

 「夏を制する者が箱根を制する」という格言がある箱根駅伝。勝負を分ける夏合宿特集の第2弾は、第100回記念大会で初優勝を狙う国学院大を特集。国学院大は伊地知賢造主将(4年)、平林清澄(3年)、山本歩夢(3年)の3本柱を中心に戦力充実。長野・蓼科高原などで野心あふれる雰囲気でレベルの高い練習を積んでいる。(竹内 達朗)

 国学院大の夏合宿は、ギラギラした夏の太陽が昇るようなエネルギッシュな雰囲気にあふれている。

 30キロ走などロード練習が多い夏合宿で数少ないトラック練習が12日に蓼科高原で行われた。標高1530メートルの高地。しかも、土トラック。反発が少なく、故障のリスクを減らせる分、練習強度は上がる中、心肺を限界まで追い込んだ。

 「今季のチーム目標は3大駅伝すべてで表彰台。確実に3位以内に入り、その上で優勝を狙います。全員がその気で夏合宿に取り組んでいます」と主将の伊地知はきっぱりと話す。

 昨季の3大駅伝は出雲と全日本が2位。箱根は4位だった。強豪校としての地位を確立した。昨季、圧倒的な強さで学生駅伝3冠を成し遂げた駒大が今季も勢力図の中心。その駒大出身の前田康弘監督(45)監督率いる国学院大は、駒大に迫る力を蓄えつつある。

 7月、3本柱がそろって好記録をたたき出した。平林が1万メートルで27分55秒15の国学院大記録をマーク。山本は5000メートルで13分34秒85と国学院大記録を更新した。伊地知も5000メートルで13分40秒51の同歴代3位で走破した。絶好の雰囲気で夏合宿に突入。「チームの力は確実に上がってきています。エースとして他校のエースと戦う準備をしています」と平林は力強く話す。

 箱根では1、2年時ともに3区で5位と好走した山本は、今季、1区出陣を熱望する。「箱根で優勝するためには、伊地知さん、平林、僕の3人は区間賞を取らなければいけない。僕は1区でチームに良い流れを持ってきたい」と意気込む。

 3本柱に引っ張られ、チームの底上げは進んでいる。「チーム過去最高の時(21年箱根3位)の土方英和(現旭化成)、浦野雄平(現富士通)、青木祐人(現トヨタ自動車)、藤木宏太(現旭化成)の主力4人と同じレベルの練習を今は15人ができています」と前田監督は手応えを明かす。

 厚みを増す選手層。期待株が青木瑠郁(るい)、上原琉翔、高山豪起、嘉数純平の4人の2年生だ。前田監督は「駒大は今季も圧倒的に強い。中大も強い。ただ、国学院大も2年生4人が3本柱と同等の力をつけたとき、初優勝のチャンスはあります」ともくろむ。充実した練習を終えた後、前田監督は選手に熱く訴えた。「力は秋に身につけるのではない。夏に身につけるんだ」。指揮官の言葉を聞く全選手の目はメラメラと燃えていた。(竹内 達朗)

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