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【仙ペン】東京が削り合ってどうする

スポーツ報知

◆JERA セ・リーグ 巨人4×―3ヤクルト(23日・東京ドーム)

 あの時ほど、菅野に投げてほしかった時はない。2018年のクライマックスシリーズ最終ステージ。広島に王手をかけられて迎えた第3戦です。崖っ縁からの逆襲はエースに託すしかない。

 だが、最終戦のマウンドに菅野の姿はなかった。当然だ。ヤクルトとの第1ステージではノーヒットノーランを達成。そこから中4日での登板は、いくら何でもキツい。むしろ投げちゃいけない。チームにとってもリスキーだ。

 ただ、それでも無理を承知で「行けます」と言ってほしかったな。あの試合の最善手は「菅野の先発」以外にあり得なかった。無責任な僕は今でもそう思っている。由伸監督が退任を表明して臨んだ最後の戦いだったしね。

 そんなわけで秋広が打って、門脇が走った。「菅野さんに黒星をつけるワケにはいかない」―。心の合言葉です。だってそうでしょう。志願の逆スライド登板ですよ。グッとこなきゃどうかしている。

 4回の投球には涙が出てきた。村上、サンタナ、オスナを3者連続三振。2018年の菅野そのものじゃないか。あの年はホントにすごかった。ノーノーだけじゃない。シーズン終盤には3連続完封。そもそもCSに進めたのも、この人の奮闘あってこそだった。

 あれから5年。再び菅野がポストシーズンへの道を切り開くのか。思い出したのはダルビッシュのコメント。昨年の終盤、中3日登板に意欲を燃やし「自分はもう36歳だし、いつ体が壊れて引退しても大丈夫だと思って投げている。チームのためにちゃんと準備したい」と語っている。

 高校生の球数制限を先駆的に呼びかけ、メジャーでも登板間隔について「中4日ではなく、最低でも中5日にして選手をプロテクトするべき」と主張していた男がだ。誰よりもクールで合理的な男が胸に秘める熱い思い。菅野だって同じはず。ただ、ダルとは違ってまだ33歳。壊れてもらっては困るけど。

 それにしても今季のヤクルト戦はもつれる。お互いに「いいよ、肉を切らせるぜ、でも骨を断つぜ」((C)タツノリ)的な戦いばっかりじゃないか。面白いのは結構だけど、東京勢で削り合い過ぎだよ。

巨人

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