6月4日の敵地・東京V戦(味スタ、2〇0)から11試合勝ちなしと長く暗いトンネルが続いていたベガルタ仙台。前節のホーム・大宮戦(19日、1〇0)でやっと白星をつかみ取り、久しぶりにユアスタに温かい拍手や明るい声があふれた。
伊藤彰前監督(50)が7月13日に解任され、7月16日の金沢戦(1●2)から指揮を執る堀孝史監督(55)は攻撃時に4ー1ー4ー1を採用し、直近2試合でやっと機能し始めて押し込む時間が増えた。先発で出場するFW中山仁斗も「相手の嫌がることもできて、チーム全体が相手コートに入って押し込むこともできていた」手応えを話す。
その一番の要因には攻守の選手たちがコンパクトにフォーメーションを保てていることだ。堀監督就任後には前線と後方で意思疎通ができずに間延びし、攻撃時においてはバックアップが少なく迫力が欠けていた。ホーム・群馬戦(13日、0●2)からやっとやりたいことができ始めると、大宮戦では全選手がリズムよくボールをつなぎ、ゴールを脅かすシーンが増えた。
それに加えてFW中山が前半から積極的に相手の裏を狙い、そこにロングパスが配球されると、MF斎藤学やMF松崎快ら両サイドにボールが渡り躍動。サイドのクロスや中央へのカットインからシュートを放つなど、多種多様な攻撃パターンが見ることができた。
だが、決定力があればもっと楽に試合を運べたはず。中山も「フィニッシュの部分で冷静さやクオリティー、決めきる力があればもっともっとできると思う」というように、前半には相手GKの素晴らしいセーブなどもあったが、3点を決められるチャンスはあった。次節の敵地・大分戦(26日、レゾド)で決定力に磨きをかけ、この1勝のプラスの流れを発揮できれば、本当の復活といえるであろう。(山崎 賢人)