G1「第66回オールスター競輪」決勝は20日、埼玉・所沢市の西武園競輪場で、優勝賞金5900万円(副賞を含む)と、「KEIRINグランプリ2023」(12月30日、東京・立川競輪場)の出場権をかけて、最終11Rで争われた。真杉匠(24)=栃木・113期=が、残り2周から踏み出した吉田拓矢を追走から最終1コーナーで、清水裕友の反撃に合わせ番手まくり。後続を引き離し、自身初のG1制覇を成し遂げた。栃木県の選手のG1制覇は、2007年9月高知オールスターを制した飯嶋則之以来。
2着は直線で中を割り、インコースを踏んだ古性優作、3着は武藤龍生。真杉の次回出走予定は9月7日から開催されるG3立川。
選ばれしものたちの祭典。頂点へ駆け抜けたものは、今年3度目のG1を狙った古性でも、地元の平原康多でもなく、真杉だった。ニューヒーロー真杉がここに誕生した。カクテル光線を浴び、右手を挙げながらのガッツポーズ。近年にないファンの大声援に応えた。でっかい打ち上げ花火も真杉を祝福した。
レースは平原がスタートを取り、吉田―真杉を迎え入れ、4番手以下は武藤―古性―清水―山田庸平―犬伏―松本貴治の並び。一度、後方の犬伏が動くが、残り2周の赤板から吉田がスパート。6番手の清水が最終ホームから仕掛けると、1コーナーから真杉が踏み、清水と平原が絡む。真杉ペースで後続を振り切り初のタイトルを手に入れた。古性は中を割り外の武藤をさばきながら踏んで2着を確保。こらえながら武藤が3着にとどまった。
真杉匠「タイトル獲得はまだ実感がない。走る前からファンの声援がすごくて力になった。最終ホームでまだ誰も来ていないのが分かったので、できるだけ引っ張った。バックからは余裕もなくがむしゃらに踏みました。ゴールした瞬間は、『どうした!?』って感じだった(笑い)。これまで準決勝でつまずいていたので、優勝は夢のようです。きょうに関しては、とにかくラインのおかげでしかないです。これから関東を引っ張って行けるようになりたいです」
◆真杉 匠(ますぎ・たくみ)1999年2月1日、栃木県宇都宮市生まれ。24歳。作新学院高卒。日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)113期生として、2018年7月にデビュー(函館〈1〉〈1〉《3》着)。22年の日本選手権(平)以来3度目となるG1決勝進出で初戴冠。175センチ、76キロ、太もも61センチ。血液型A。