南房のマダイ釣りが面白い。西川名港の報知指定・竜一丸の半日乗合船では、港前の西川名沖をコマセ釣りで狙い、1キロ前後がコンスタントに釣れている。時には7キロを超える超大型も上がっている。例年、同沖では秋口に大型が食うようになり、10キロ近いモンスター級まで期待できる。そこで安西竜一船長に釣り方のコツと今後の見通しを聞いた。
先月下旬7・3キロ ―現在のマダイの状況はどうですか?
安西竜一船長(以下、安)「1キロ前後が目立ちますね。そこに時々3~4キロ級の良型が交じります。先月下旬には7・3キロという超大型が出ました」
―釣り場は?
安「港を出てすぐの西川名沖です。航程3~5分ぐらいのところですね」
―かなり近いですね。
安「暑くなってくると、港前で食うんですよ」
―タナ(魚の泳層)は?
安「釣り場の水深は20~30メートルで、タナは水面から15メートル前後です」
―ずいぶんと浅いんですね。まるでイサキ釣りのようです。
安「タナの取り方もイサキと一緒。お客さんには『15の12、ビシを水深15メートルまで沈めてコマセを巻きながら12メートルまで上げてください』とアナウンスしてます」
―マダイ釣りというと、10メートル近い長いハリスを使いますが。
安「ウチでは6・5メートルにしてもらっています。コマセのアミと付け餌のオキアミでは流れ方が違うので、長いハリスは必要ないと思います。また、西川名周辺のマダイは浮いてくるので、コマセをまく幅も3メートルで十分です」
持っても置いても ―コマセをまいてからは通常のマダイ釣りと一緒ですか?
安「竿を手に持っていても、置き竿でもいいです。ただし、アタリがあっても即合わせしたらバレてしまうことが多いので、竿先が4~5回引き込まれてから合わせるぐらいでちょうどいいと思います」
―竿でしゃくっての誘いは必要ない?
安「その点はその日の状況によりますね。魚群探知機の反応を見ながら誘ったほうがいい時はアナウンスします。ただ、メイチダイやイサキなどの餌取りが急に食わなくなったら、近くにマダイがいるシグナル。気を抜かないように」
―浅場でマダイが食ってきたら、さぞかし引くでしょうね。
安「すごい迫力ですよ。『この引きがたまらない』という常連さんも多いです。大型も食うので、常にハリスに傷がないか、チェックは必要です」
―今後の見通しは?
安「今年は春の乗っ込み期にあまり釣れなかったので、これからに期待してます。例年、8月下旬から9月上旬にかけてがよく釣れる時期になるので、楽しみです。秋口には10キロ近い超大型が出るかもしれません」
(構成・高田 典孝)
短い竿と特製片天びん
竜一丸がマダイ釣りで貸し出す竿は長さが2.1メートルほど。通常のマダイ竿は3メートル前後だから、かなり短い。「竿が短いと慎重にやり取りするから逆にバラシが少なくなる」と安西船長は短い竿の効果を強調する。また、片天びんも竜一丸特製。仕掛けの絡みが少ないと評判は上々だ。
◆竜一丸のマダイ釣りのタックル ▽竿…2・1~2・4メートルの胴調子。イサキ用でも可▽リール…小型電動、小型両軸▽道糸…PE4号▽仕掛け…FLサイズのサニーカゴ、オモリ60号。竜一丸特製天びんにクッションゴム直径1・5~2ミリ30~50センチ、ハリス4号6・5メートル。伊勢尼バリ8~10号1本▽餌…オキアミ
◆めも マダイ釣りの近況、乗合船は西川名港竜一丸(TEL0470・29・1222)。乗合船は午前船が4時15分、午後船は12時30分にいずれも船宿集合。料金はコマセ、氷、餌付きで午前船が税込み1万1000円。午後船は同1万円。レンタルタックル、駐車場あり。
このほか以下の船宿からも乗合船が出る。
▽テンヤ釣り
平潟港第三隆栄丸(TEL0293・46・2133)
日立久慈港大さん弘漁丸(TEL0294・52・3504)
大洗港昭栄丸(TEL029・267・5396)
鹿島港植田丸(TEL0299・82・3773)
飯岡港太幸丸(TEL0479・63・1902)
大原港松栄丸(TEL0470・62・0571)
▽コマセ釣り
洲崎港第2美吉丸(TEL090・7008・0802)
腰越港孝太郎丸(TEL0467・31・1344)
茅ケ崎港ちがさき丸(TEL0467・86・1157)
早川港平安丸(TEL0465・22・0676)。希望で出船
古宇港吉田丸(TEL055・942・2565)