◆JERA セ・リーグ 中日2x―1巨人(16日・バンテリンドーム)
先週末のDeNA戦。東京Dの記者席で隣にいたNデスクが、試合終了間際のスコアボードを見ながら「夢がありますよね」とニヤリ。守備固めや主砲を休ませたりで、巨人の3・4・5番には門脇、浅野、秋広の名前が並んでいた。
この3人がスタメンオーダーに並ぶ日…。そんなに遠い未来ではないと信じたい。そろそろ完成の域に到達しつつある若大将も含めた4人が中核になるチーム。強いに決まってる。
もちろん、スタメンの真ん中に名前を並べるまでには、与えられたチャンスで結果を残していくしかない。派手なアーチや殊勲打じゃなくてもいい。チームに必要なピースとして、着実に存在感を発揮することだ。ストレス満点の併殺地獄から、ようやく遠かった1点をもぎ取った7回。秋広、門脇、浅野の3人が、夢の近未来につながる小さな光を放った。
まずは白鳥打法?の秋広がチャンスメイク。続く中田翔の二塁打で代走・門脇が一気に同点のホームまで疾走した(三塁を回ったところでヨタヨタした時には悲鳴をあげたけど)。さらに、中田翔の代走・浅野が、ブリンソンの中飛で三塁へタッチアップ。足のスペシャリスト級の好判断と言ったらホメ過ぎ? でも、ストッキングのオレンジライン2本見せオールドスタイルは、ボディーラインの重厚さを薄めるスピード感を醸し出している。「見た目より速い」の評判はウソじゃなさそうだ。
残念ながら浅野のタッチアップは勝ち越し点にはつながらなかった(陰のバント職人・大城卓のスクイズで…ってのは高校野球の見すぎか)。だが、2点目のホームを踏んでいたら隠れたヒーローだったはず。秋広の手堅い単打、門脇のスピード(裏の守備でもナイスプレー)、浅野の好判断(と意外な速さ)。ひとつひとつは小さく地味でも、得点や勝利には欠かせない仕事だと思う。
阪神に優勝マジックが点灯した。悔しいけれど、Aクラスという現実的な目標を追いながら、若い力の成長も楽しむ時期になってきた。秋広はもちろん、門脇や浅野に近未来への夢を託したい。できれば、またまた崩壊したブルペンにも何か光が差せばいいんだけど…。