来年5月26日付で宝塚歌劇を卒業することが決まった花組トップスター・柚香光(ゆずか・れい)が16日、大阪市内のホテルで退団発表会見を行った。
2代目パートナーのトップ娘役・星風(ほしかぜ)まどかとの同時退団。小池修一郎氏のオリジナルの一本物「アルカンシェル~パリに架かる虹~」(兵庫・宝塚大劇場=2月9日~3月24日、東京宝塚劇場=4月13日~5月26日)がサヨナラ公演となる。
「緊張しています」と純白のスーツで出席した柚香は「お客様、人々の思い…宝塚は私のすべて、青春そのもの。私は吊り目なんですが、思い返すと自然と目尻が下がってしまい、頬が上がってしまう。かけがえのない、愛しい、大切な濃い時間を過ごさせていただきました」と笑顔で語った。
2009年4月の入団から約15年、19年11月の花組トップ就任から4年半での卒業。退団を決めたのは今年2月だった。理由について「宝塚歌劇団しか知らない私ですので、感謝しかなく、このままずっと精進を続けていきたいと思いましたが、外の知らない世界でまだ見ぬ自分と出会ってみたいという思いもあり、決意しました」と説明した。
退団後の進路は「具体的には申し上げることはないですが、卒業までの9か月が大事な時間。その後に何が待っているか分かりませんが、みなさんに納得していただける、柚香光の仕事ができるよう、襟を正していきたい」と含みを持たせた。恒例の結婚に関する質問は「(指に)輪ゴムでも付けてこようかと思いましたが、勇気がなかった。え~、当分は空いていると思います」と笑顔で答えた。
星風には3月末、「二人だけの戦場」(4~5月)の稽古中に退団を伝えたが「ぜひ私もご一緒させてください」と添い遂げを告げられたという。組子には「鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)」「GRAND MIRAGE!」の兵庫・宝塚大劇場千秋楽の前日(12日)に説明。「一人一人の表情、眼差しから考えていることが胸に響き、改めてなんてステキな方々とお仕事をさせていただいているんだと感謝の気持ちが湧いてきました」と語った。
花組一筋。「ありがたい瞬間があまりにも多い」としながらも、転機を3つ挙げた。「お客様との心の距離感を縮めたいと思った」という台湾公演(15年)と「花より男子」(19年)、そして再演での大劇場お披露目作「はいからさんが通る」(20年)。特に「はいからさん―」はコロナ禍で延期・中止が相次ぎ「大きなターニングポイントになりました」。
さらに「あ~、すいません」と4つ目に花組100周年公演のショー「The Fascination!」(21年)を追加。「花組に代々受け継がれる誇り、品格を感じ、大きな宝になった」と話し、これまで一番思い起こされる光景は「お客様のお顔」とファンに感謝した。