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【番記者の視点】横浜FM、停滞感打破する先制点はボランチ2人が絡む…G大阪下し4試合ぶり白星

スポーツ報知
横浜FMのMF喜田拓也

◆明治安田生命J1リーグ▽第23節 横浜FM2―1G大阪(12日、日産ス)

 横浜FMはホームでG大阪に2―1と勝利し、リーグ4試合ぶりの白星を挙げた。前半34分にFWヤンマテウスの右足で先制。同44分に追いつかれたが後半6分にFWアンデルソンロペスがPKで決勝点を奪った。首位・神戸とは勝ち点47で並ぶ2位をキープした。

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 主将のMF喜田拓也は、4試合ぶりの白星をかみ締め、「一つ変えるには勝利が必要だった。中身を見ても手応えがあったし、次につながる、文字通りの勝利だった」と深くうなずいた。

 直近2試合は川崎、浦和相手に無得点。相手の堅守も光ったが、自慢の攻撃力が機能しきれなかったことも事実だ。だが、この日はその停滞感を打破する一戦に。先制点は、「崩しの局面では一つチームとしていいものが出た」とチームが目指しているものが存分に出たゴールとなった。

 前半34分、敵陣でMF渡辺皓太がボールを持ち運ぶと、エリア付近に駆け上がっていた喜田にパス。すかさず喜田はターンして左足を振り抜いた。鋭いシュートは右ポストに阻まれたものの、こぼれ球をヤンマテウスが押し込んだ。エリア付近で多くの選手が絡み合い生まれた得点を喜田はこう振り返る。

 「サイドで多少時間ができたので、中に戻ってきたら縦にくるだろうなってことで、少しポジションを移動させた。なべ(渡辺)から(パスを)もらったけど、ボランチが縦関係になって進入のところでうまく2人で関われた。そこがまず良くて、うまくターンもできて。外に(西村)拓真がいたと思うけど、いたのもわかっていたし、ただ強気の(シュート)選択をした。コースも多少見えていたのでいいところにいってくれたし、ヤンもよく詰めてくれた」

 リスク管理も考えると、高いラインを敷くマリノスのサッカーにおいて、ボランチがエリア内へ進入する回数はそう多くない。だが、「自分の限界をつくるんじゃなくて、常に進化したいし、そこでチャレンジすること、違いをつくることにチャレンジしたいと思っていたので思い切った、なべとも一人はより(攻撃に)効果的に関わっていこうね、と話していた」とこれまで以上に”強気”な姿勢を示していた。

 エリア外からも足を振り抜くなど、この日ロペスの4本に次ぐシュート3本を放った渡辺も、同じような意識を持っていたことを明かす。「個人的に前回の試合(浦和戦、0△1)は悪くなかったけど、こわさがなくて、攻撃にもっと絡まないといけないと思った。(今日は)そういう姿勢は示せたかなと。ボランチの選手が出ていくことは大事。(攻撃の)組み立てはできているので、もう一歩成長しないといけない。決めきることは必要だけど、今日の得点シーンも前のプレー選択ができて良かった。何より勝ちが欲しかったので」

 前線にはエウベルら強力なブラジル人トリオが並ぶが、シーズン後半戦にかけて相手の対策は強まる。打開策として、2列目以降の選手がどう関わっていけるかは大きなカギを握るはずだ。最後の精度といった課題は当然残すものの、前節の浦和戦で負傷から復帰した西村も「みんながつながっている感じがして、特に1点目はいろんな選手がつながった。厚みのある攻撃がよく出た試合になった。最近はない感覚、景色だったと思う」と手応えをにじませた。

 後半途中からは数的不利の厳しい状況を迎えたが、決死のスライディングを見せたDF松原健ら守備陣も体を張って粘り強くゴールは割らせず。ホームで価値ある1勝をつかんだ。神戸と勝ち点で並ぶ激しい首位争い。キャプテンは「チームとしてもっと成長して、伸ばしていきたい」と歩みを止めないことを強調した。この1勝を足がかりに、再び連勝街道を走っていく。(小口 瑞乃)

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