ロッテは10日、沢村拓一投手(35)が都内の病院で検査を受け、「可逆性脳血管攣(れん)縮症候群」と診断されたと発表した。8月末まで高強度の運動は禁止。その後に問題なければ通常の練習を再開するが、1か月以上の離脱は避けられなくなった。
沢村は7月下旬から頭痛を感じ、2日に出場選手登録を抹消された。検査入院後、7日に退院。現在はジョギングやキャッチボールなど軽い運動は行っているという。
「可逆性脳血管攣縮症候群」は急性の激しい頭痛が主症状で、入浴やトレーニング、感情の変化などが引き金になるとされる。沢村は球団を通じ、「脳の血管が痙攣(けいれん)を起こし、激しい頭痛を起こす症状ですが、完治すると説明を受けていますので、しっかり向き合いながら治療をしていきたいと思います。幸い、MRI画像上の所見では改善傾向にあるとのことですので、ファンの皆様と再会できる日を楽しみに治療に取り組んでいきます」とコメントした。
◆「数か月で治る」 医療ガバナンス研究所理事長で医師の上昌広氏は、可逆性脳血管攣縮症候群について「通常であれば、数か月で自然に治る。あまり深刻に考えなくて良い」との見解を示した。
脳の血管が強い収縮を起こす病気で、症状としては痛みが数秒から数十秒程度続く。いきむような運動や入浴、シャワー、性行為、大声を出すこと、感情の高まりなどが引き金になるとされる。片頭痛から症状が出ることもあり、おう吐などを伴う場合もある。上氏は「まず原因を調べ、それを避けることが必要です。今回の症状に効く薬もあります」と述べた。