8区=21・4キロ 遊行寺の坂
コースの前半は平坦だが、16キロ手前に待ち受ける難所が遊行寺の坂だ。約700メートルで高低差は34メートル。復路有数の急坂で、ハイペースだった選手にとっては大きな試練となる。ここから戸塚中継所までの5キロで大きく順位変動が起きるケースも多い。東京五輪3000メートル障害代表の青木涼真は法大時代の17年に8区を担い、前半の区間16位から後半に順位を上げて区間9位。翌年の18年で5区区間賞を獲得したように、遊行寺の坂から主要区間の活躍につなげた選手も少なくない。
遊行寺(清浄光寺)は一遍上人が開いた鎌倉仏教の「時宗」の総本山で1325年に創建。戦国時代に北条早雲と三浦氏らによる戦いで消失したが、江戸時代に再興した。徳川綱吉が発した「生類憐れみの令」では市中の金魚の保護所となり、放生池に放たれたという。