【箱根への道】東海大・喜早駿介、「山の神」名乗り!高校時代に中大・吉居大和と日本一「負けない活躍を」

スポーツ報知
合宿で走り込む東海大の喜早駿介(右端)

 箱根駅伝では「夏を制する者が箱根を制する」という格言がある。新春に栄光をつかむため、試練の夏を過ごす。夏合宿特集の第1弾では前回3位・青学大と同15位・東海大の2チームをリポート。長野・白樺高原のリゾートホテルで1次合宿を行っている東海大では、仙台育英高で全国レベルの活躍を見せた喜早(きそう)駿介(4年)が5区候補に名乗りを上げた。(竹内 達朗)

 家族連れの笑顔があふれる「白樺リゾート 池の平ホテル」。人気ホテルを拠点に東海大の1次合宿は行われている。両角速監督(57)が地元出身という縁があり、宴会場の大広間に宿泊する条件で、格安で利用可能となった。「ビュッフェがおいしい。全員で雑魚寝も楽しい。チームに一体感が生まれます」と3年生主将の越陽汰は笑顔だ。温泉、サウナ、水風呂がある大浴場も完備。最高の環境で1日平均40キロ以上を走り込む。

 常に先頭を走るなど、より意欲的な選手が喜早だ。仙台育英高時代は吉居大和(中大4年)と2枚看板と呼ばれ、3年時に全国高校駅伝で優勝。しかし、大学では大きな差が生まれた。

 箱根駅伝で吉居は2年時に1区で区間新記録。3年時は駒大の田沢廉(現トヨタ自動車)、青学大の近藤幸太郎(現SGH)と歴史に残る三つどもえのトップ争いを演じた上、区間賞を獲得した。一方の喜早は出場経験なし。「僕は(今年)2区の12キロ地点のタイム計測係でした。大和はすごいと思った。でも、それ以上に悔しかった。最後は大和に負けない活躍をしたい」。確固たる決意を持つ喜早が狙っているのが箱根5区だ。前々回、1年生ながら5区で区間2位と好走した吉田響(3年)が今春、創価大に転校。5区の人材育成が東海大のカギとなっている。「5区で区間3位以内が目標です」と喜早は意気込む。

 東海大は19年に初優勝を果たした後、2位、5位、11位、15位と下降。「今季の目標は箱根駅伝で予選会トップ通過、本戦3位です」と越主将は力強く話す。総合3位も5区の区間3位も簡単なことではない。この夏に急成長が必須だ。東海大とそのキーマン喜早がV字復活を期すため、今から着実に準備を進める。

 ◆喜早 駿介(きそう・しゅんすけ)2002年1月11日、仙台市生まれ。21歳。仙台育英高時代は3年連続で全国高校駅伝に出場し、1年7区3位、2年4区4位、3年1区6位と活躍。特に3年時は真名子圭監督(現・大東大監督)のもと、全国制覇に大きく貢献した。20年に東海大に入学。自己記録は5000メートル13分53秒42、1万メートル28分52秒13。164センチ、48キロ。

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