エンゼルス・大谷翔平投手への敬遠を含めた四球の急増が話題に上がっている。後半戦15試合で8敬遠含む18四球で、現在12敬遠含む66四球。このままでいけば一昨年の20敬遠含む96四球を大幅に更新するのは間違いなさそうだ。
しかし、そんな大谷も逃げ出すような歩かされぶりだったのが2004年ジャイアンツ時代のバリー・ボンズだ。その3年前に73本塁打のシーズン記録を塗り替えたボンズは、2004年に40歳を迎えた。147試合に出場し打率3割6分2厘、45本塁打、101打点で最年長首位打者となったが、相手チームに恐れられ120敬遠含む232四球という破天荒の数字となった。
徹底していたのがナ・リーグ西地区のライバルだったドジャース。77打席で19敬遠含む38四球。勝負した打席は39打数17安打の打率4割3分6厘、8本塁打を浴びたのだから当然か。
首位打者で、さらに四球の多さも加わり出塁率は6割9厘、OPS1・422でともにメジャー不滅の記録でもあった。
敬遠の走者別内訳をだすとなんと無走者でも終盤の接戦で計19回。一塁が空いているケース(二塁、二・三塁、三塁)では108打席で76回が捕手が立ち上がって敬遠。勝負してもらったのはわずか24回しかなかった。この年の本塁打45に対し三振は41。過去45本塁打以上打って、その本塁打数より三振数が少なかったのは歴代5人目だった。
薬物疑惑云々はあるボンズだが、改めてこの2004年のシーズンを振り返ると驚きの数字ばかりだ。
蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)