【広島】広陵の“ボンズ”真鍋慧が高校通算62号となる先制ソロ 5年ぶり夏聖地に王手

スポーツ報知
初回、今夏1号を放った広陵・真鍋慧一塁手(カメラ・直川響)

◆第105回全国高校野球選手権記念広島大会▽準決勝 呉港0-10広陵(26日・ぶんちゃんしまなみ)

 広陵の今秋のドラフト候補・真鍋慧(けいた)一塁手(3年)が高校通算62号となる今夏1号を放ち、4強入りしたセンバツに続く出場に王手をかけた。

 美しい弾道は、真鍋の真骨頂だった。初回2死、2球目を捉えた打球は大きな弧を描き約7秒後、右中間席中段に着弾した。先制の高校通算62号に「久しぶりに打てたので、うれしかった」と、今夏初めて笑みがこぼれた。

 悩みは吹っ切れた。準々決勝まで14打数4安打3打点。本調子ではなく「練習ではいい状態なんですが…」と落ち込んだ。主砲として気負いがあったが、「考え過ぎてこれ以上悪くなってはいけない」と無心を貫いた。試合前、中井哲之監督(61)から「タイミングを早く取れ」と助言を受け、即実践。内角の直球を引っ張り、スタンドに放りこんだ。ネット裏では6球団のスカウトが視察し、DeNA・八馬スカウトグループリーダーは「(広陵OBでDeNAの)佐野恵太と似ている」と絶賛した。

 幼少期、自宅にある車庫でバットを握った。父・隆さん(50)が投げるカラーボールを打ち、車庫の約3メートルの壁を「越えろ」と課された。来る日も来る日も、壁越えを狙い振り続けた。189センチ、91キロの恵まれた体から放たれる放物線の原点となった。

 最後の夏にかける思いはひとしおだ。19年夏、広島商の3年時、主将として甲子園に出場して3打数1安打だった兄・駿(たけと、現法大4年)を「超えるため」に広陵へ入学。決勝は兄の母校・広島商で、勝った方が24度目の出場で県勢最多となるが「自分たちの野球をしたい」と気負いはない。幾多の壁を乗り越えてきた“ボンズ”が、5年ぶりの夏聖地へ導くアーチを架ける。(直川 響)

 ◆真鍋 慧(まなべ・けいた)2005年6月17日、広島市生まれ。18歳。みどり坂小1年から瀬野ソフトボールクラブでプレー。瀬野川東中では広島安芸シニアに所属。広陵では1年夏から一塁でレギュラー。甲子園は2、3年春に出場し、計6試合で21打数10安打4打点、0本塁打。愛称のボンズは、メジャー最多の通算762本塁打を誇るバリー・ボンズ(元ジャイアンツ)が由来。右投左打。

 〇…粘りの“広商”野球が光った。17安打11得点と広島新庄の最速145キロ右腕・新田遥輝(3年)を狙い通り終盤に攻略した。6―7で迎えた8回、5安打を放ち、5得点で逆転。通常より短い距離からの3か所バッティングで、速球対策を重ねてきた成果が実った。決勝は広陵と激突。8回1死三塁で勝ち越し二塁打を放つなど3安打3打点の3番・安井優矢右翼手(3年)は「苦しい場面は多いと思うが、粘り強く戦いたい」と、4年ぶりの夏聖地を目指す。

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