◆第105回全国高校野球選手権記念茨城大会▽準決勝 霞ヶ浦4―2明秀日立(24日・ノーブルホームスタジアム水戸)
霞ケ浦は昨夏の代表校・明秀学園日立との大一番を制し決勝進出を決めた。今秋ドラフト候補で最速150キロを誇る右腕・木村優人(3年)が9回4安打10奪三振2失点(自責1)で完投で、チームの勝利に貢献した。
9回2死、最後の打者を渾身の直球で右飛に抑えて決勝進出を決めるとナインと喜んだ。
仲間たちに助けられた。同点で迎えた6回1死二、三塁、木村は暴投で勝ち越しを許したが、その裏に打線が逆転に成功。そして、2点リードの8回にもピンチを背負った。無死一、二塁で迎えた次打者・平野太智遊撃手(3年)には、カウント2―3から7球粘られるも遊併殺に抑え、続く洪雋熈(こう・じゅんし)右翼手(3年)を三振に仕留め、「勢いで押しました。野手が併殺にしてくれたのでよかった」と両手を上げて笑顔を見せた。
試合後にはエースとして責任を感じていた。「真っすぐとカットボールで今日は勝負しました。出来は70点くらい。腕をしっかり振って三振を奪えていたら、もう少しチームを楽にできていたと思います」と自身を辛口に評価した。
高橋祐二監督(63)は「特に8回のピンチで相手に粘られたが四球を出さなかったのがよかった。センスと強い気持ちで抑えてくれたと思う」とたたえた。ネット裏では11球団17人のスカウトが視察。巨人・實松スカウトは「マウンドに立つ姿がよい。カウント球と勝負球の使い分けがよくできている。打撃では自分のスイングをしてしっかり振れている。」と評価した。
聖地へ、残るはあと1勝。「気持ちでひるまず持ち味のボールの質を活かし甲子園に出場したい」と意気込んだ。(岡野 将大)