宝塚歌劇宙組の新トップコンビ、芹香斗亜(せりか・とあ)、春乃さくらの始動作「Xcalibur エクスカリバー」(潤色・演出、稲葉太地)が23日、東京・池袋の東京建物BrilliaHALLで開幕した。
6月に退団した真風涼帆(まかぜ・すずほ)&潤花(じゅん・はな)の後をそれぞれ継いだ2人のプレお披露目公演。6世紀の英国を舞台に、石に刺さった聖剣エクスカリバーを抜いたことで、新王の称号を得たアーサー(芹香)の宿命と試練を描く。
1998年の宙組創設の大劇場1作目「エクスカリバー」(主演・姿月あさと)でも題材にされた物語で、フランク・ワイルドホーン氏の作曲で19年に韓国で初演されたミュージカルの宝塚版。第5の組・宙組誕生から四半世紀が経過し、9代目トップ・芹香がアーサー王伝説に挑んだ。
朗らかに育った青年アーサーが予言者の命のもとに王となり、様々な障害にぶつかって苦悩していく様を、キャリア17年目のベテランながらエバーグリーンな若々しい魅力と、花組・宙組で8年に渡って2番手を務めてきた底力で好演。満を辞してのトップ就任をアピールした。
芹香は開幕にあたり「いよいよ初日を迎え、緊張と楽しみがせめぎ合っています。カンパニー一丸となって挑戦したこの作品、ワイルドホーンさんの素晴らしい楽曲のお力も借りて、ご覧いただく皆様に特別な時間を過ごしていただきたいと思います。千秋楽までさらなる高みを目指し、精いっぱい務めてまいります」とコメントを寄せた。
相手役の入団8年目・春乃は弓の名手としてアーサーの仲間に加わり、後に妻となるグィネヴィア役。快活な兵士として盛り立てる第一幕と、シリアスな第二幕との緩急の芝居、安定した歌声で説得力を持たせた。
アーサーが兄のように慕う円卓の騎士・ランスロット役は第95期生の宙組代表・桜木みなとが演じ、アーサー、グィネヴィアと三角関係に陥る役どころで深みを加えた。また、アーサーの異母姉で物語の“毒”となるモーガンを6年目の男役・真白悠希が演じ、迫力ある美声と舞台度胸で新星誕生を印象付けた。
公演は8月5日まで。大劇場お披露目公演「PAGAD(パガド)~世紀の奇術師カリオストロ~」「Sky Fantasy!」は兵庫・宝塚大劇場で9月29日~11月5日、東京宝塚劇場で11月25日~12月24日に上演。