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【番記者の視点】「サッカー人・小菊としてリスペクトする」移籍相次ぐC大阪、小菊監督が見せた心意気

スポーツ報知
C大阪・小菊監督

 【C大阪担当・種村 亮】FW加藤陸次樹が広島へ完全移籍、MF中原輝がJ2東京Vへ期限付き移籍、MF岡沢昂星がJ3琉球へ育成型期限付き移籍することが一挙に発表された21日、チームの公開練習取材に向かった。小菊昭雄監督の反応を聞いてみたいと思ったからだ。

 3選手のうち、特に加藤は昨季まで2年連続でチーム最多得点をマークした主力ストライカー。クラブとしては痛恨だが、相談に来た加藤に対して小菊監督がかけた第一声は「おめでとう」だったという。「(香川)真司がセレッソに帰ってきた時のように、選手それぞれに歴史がある。(下部組織に所属していた広島からのオファーは)彼が勝ち取ったものですから。一言目におめでとう、と伝えました。彼は僕のサッカーを攻守において引っ張ってくれた。もちろん残念ですけど、(新天地で定位置を争う)リスクがあるなかでチャレンジを選択したことは応援したい」。

 指揮官は中原とのやり取りも明かしてくれた。「俺がコーチなら『輝、トライしろ』って言うと思う。でも今は監督やから、何か矛盾してるよな」と複雑な胸の内を直接、中原に伝えるとともに「1人のサッカー人・小菊としてはその決断をリスペクトしている」とエールを送ったという。

 小菊監督の知人は「(監督は)人の心に入っていくのがすごく上手い」と語ったことがあったが、まさに監督のキャラクターが表れたやり取りだったと思う。シーズン半ばでチームを離れる心苦しさを持つ選手への寄り添い方や距離感は、長年クラブ一筋でコーチなど様々な立場を経験してきたからこそできるのではないだろうか。

 現在、リーグ戦は首位と勝ち点差8の5位。悲願の初優勝へ可能性を残しているなかで他クラブへの移籍が相次いだダメージは決して小さくないが、小菊監督は選手の今後のキャリアを思って理解を示した。その心意気が報われることを願っている。

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