宝塚歌劇宙組ミュージカル「大逆転裁判 ―新・蘇る真実―」(作・演出、鈴木圭)が19日、大阪市北区の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで初日の幕を開けた。
来年5~8月に上演するロール・プレイング・ゲーム「ファイナル・ファンタジー16」の舞台化も話題になっている新生宙組が、10年ぶりに法廷バトルアドベンチャーの大人気ゲームシリーズをミュージカルで復活させた。
2009年に「逆転裁判―蘇る真実―」「逆転裁判2 ―蘇る真実、再び―」(ともに蘭寿とむ主演)、13年にスピンオフ作品「逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース」(悠未ひろ主演)の3本をいずれも宙組で上演し、今回が第4弾。
「逆転裁判」の主人公・成歩堂(なるほどう)龍一の先祖で大日本帝国の学生・歩堂龍ノ介が、大英帝国で起こった夏目漱石(凰海るの)の殺害事件の真相を追い、容疑者となった名探偵シャーロック・ホームズ(鷹翔千空=たかと・ちあき)の弁護にあたる。15年に発売された「大逆転―」のゲームの世界観を守りながら、宝塚らしいアレンジを加えた。
龍ノ介役は宙組3番手の12年目・瑠風輝(るかぜ・ひかる)が、外部劇場初主演作として務めた。学ラン姿に日本刀を携えた短髪の主人公を長身175センチを生かして忠実に再現。おなじみの「異議あり!」のポーズもりりしく、また、法廷でのやり取りで驚く様をコミカルなリアクションで表現するなど、膨大なセリフ量とともに演じきった。
龍ノ介をサポートする法務助手・御琴羽寿沙都(みことば・すさと)役は5年目の娘役・山吹ひばりが、こちらも外部劇場では初ヒロイン。定評のあるバランスの良さで主役をサポートし、柔術の心得のゲーム通りの「寿沙都投げ」も見せるなど、ゲームマニアの心をくすぐる演出でも沸かせた。
前日に行われた通し稽古には、原作ゲームを制作・販売するゲームメーカー「カプコン」(本社・大阪市)の社員、スタッフも多数、観劇に訪れ、熱視線を送っていた。大阪公演は26日まで。KAAT神奈川芸術劇場(横浜市)公演は8月1~8日。