◆JERAセ・リーグ ヤクルト11x―10巨人=延長10回=(17日・神宮)
「東京ダービー」というと都会的でシュッとした感じだけど、巨人とヤクルトの試合はいつだって大荒れだ。それこそ90年代なんて乱闘上等。報復が報復を呼ぶ死球合戦を繰り広げていたんだから。
さすがに、そんな血なまぐさいことはなくなったけど、最近は試合の内容が半端ない。高校野球の地方大会、それも1回戦で見られるような先行き不透明の戦いを繰り広げている。今季も2試合連続ルーズベルトゲームというプロ野球史上初の珍事があった。
本拠地が東京ドームと神宮球場。日本屈指の「ヒッターズパーク(打者有利の球場)」だ。一振りで局面が変わる対戦には「セーフティーリード」なんて上等なものは存在しないから。
ただ激しく削り合った果てに、お互いがBクラスに低迷。東京勢同士で足を引っ張ってどうする。ここは一つ、手に手を取り合ってエコ&サステナブルで行こう。勝っても負けてもサクッと終えて、後半戦への活力を養おうじゃないか。
そんなわけで、話が違うよ。菅野さん。これじゃあデジャビュだ。昨年の7月18日のヤクルト戦。初回のオスナの満塁弾など、自己ワーストの4本塁打を食らった。何を律義に1年前の悪夢を繰り返してるんだ。
まさか、自らが「かませ犬」となってチームに活を入れたのか。確かに去年は打線が奮起。乱打戦を制している。最近の巨人打線もひどいからな。そうか、個人より巨人。我らが背番号18の自己犠牲にはグッとくる…ワケないだろ。
昨年は7失点しながら7回途中までマウンドに立ち続けた。ベンチの判断だけど、気持ち的には恥をさらしてでも続投してほしかったな。前日の田中千もそうだけど、船迫のようなひよっこルーキーにツケを回しちゃいけない。
満を持してこんなザマだと「元エース」呼ばわりも仕方がない。というか、偽菅野じゃないのか。お願いだから後半戦は、僕らが知っている「ホントのお前さん」であってくれ。
それにしても秋広と門脇は偉い。中島と長野の頑張りには涙が出てきた。ここにきて若手とベテランがかみ合ってきた。これで岡本和がプチスランプを脱してくれれば…いや、これっていわゆる「生殺し」かも。