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【巨人】夏が来ると思い出す巨人・岡本和真の高校時代 18歳智弁学園時の特大弾

スポーツ報知
岡本和真

 7月中旬。暑さが一気に増してくるこの時期になると毎年、巨人・岡本和真内野手(27)の高校時代を思い出す。最も印象に残るのが、2014年7月25日の第96回全国高校野球選手権奈良大会準々決勝・登美ケ丘戦(佐藤薬品)。6―0で迎えた4回無死一塁の場面、智弁学園・岡本和は左翼後方の林の中に設置された防球フェンスを直撃する推定130メートル弾を放った。

 当時、私は記者1年目。悠然とダイヤモンドを一周する18歳を見つめ、すぐさま記者席を飛び出した。もちろん、向かった先は左翼後方の林の中。しゃく熱の太陽の下、四方八方からセミの鳴き声が聞こえた。試合をよそに、本当に無我夢中でホームランボールを探した。その後、天理との決勝戦でも同じ林の中に放り込んだ岡本和。この時はもう、あまり驚かなかった。

 高校通算73本塁打。世代屈指の長距離砲として注目を集めた高校最後の夏の甲子園は、岸潤一郎投手(26=現西武)を擁する明徳義塾との初戦に敗れて終わった。試合後、メディアの前に立った時の岡本和の表情が今でも忘れられない。涙を見せることなく、悔しさを押し殺しながら「いかせてもらえるのであれば、プロ野球に挑戦したいです」と自身の進路を明言した。

 月日は流れ、あれから9年。奈良大会で放った超特大弾を「覚えています」と懐かしそうに振り返ったジャイアンツの主砲は、初戦で散った夏の甲子園のこともよく覚えていた。「僕、泣かなかったですよね」。そう言いながら、笑った。

 昨季まで5年連続30本塁打以上をマーク。巨人を背負う絶対的4番として今季も獅子奮迅の働きを見せ、新たに主将としてもチームを先導している。記者は紆余(うよ)曲折あったが、縁あって巨人担当としてまた岡本和のプレーを間近で見られている。感慨深く、幸せをかみしめる日々だ。(巨人担当・中野 雄太)

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