日本テレビは14日、第100回箱根駅伝(来年1月2、3日)の予選会(10月14日、東京・立川市)を初めて地上波全国ネットで生中継することを発表した。
第100回記念大会の予選会は、参加資格が従来の「関東学生陸上競技連盟男子登録者」から「日本学生陸上競技連合男子登録者」に拡大され、全国の大学が参加可能。関西地区の立命大、東海地区の皇学館大、愛知工大などが参戦を表明している。また、例年より3校増の上位13校が本戦の出場権を獲得する。
全国の大学が参加可能な箱根駅伝予選会を初めて地上波全国ネットで生中継することになった日本テレビの箱根駅伝総合プロデューサー望月浩平氏は「第100回記念大会の箱根駅伝は、これまで大会に携わってきた方々への感謝を示す放送にできればと考えています。戦争、災害、コロナ禍などの困難を乗り越え、この素晴らしい大会を文字通り『つないで』きた方々への敬意と、歴史の重みを大切に、スタッフ一同より質の高い番組制作をめざします。まずは予選会初の地上波全国ネット生中継で、夢の箱根路をめざす選手たちに、日本中から声援をお送り下さい」とコメントした。
予選会は一斉スタートのハーフマラソン(21・0975キロ)に各校12人以内が出走して上位10名の合計タイムで争う。例年より3校多い上位13校が本戦の出場権を獲得する。
第100回記念大会の予選会には全国の大学が参加可能だが、やはり、関東勢が優勢。現状、関東勢と関東勢以外の大学は実力差が大きい。昨年11月の全日本大学駅伝(名古屋市~三重・伊勢市=8区間106・8キロ)では関東勢が15校出場し、そのまま15位以内を占めた。1万メートル8人の合計タイムで争われた全日本大学駅伝の地区選考会でも実力差は明らかだった。気象条件は異なるが、関東地区は1位通過の城西大が3時間57分35秒40、ぎりぎりの7位通過の国士舘大が3時間59分45秒19。一方、関西地区は1位通過の大経大が4時間4分22秒65で関東地区の17位相当だった。しかも、全日本大学駅伝の関東地区選考会には昨年本大会の上位8校のシード校は参加していない。ハーフマラソンの10人の合計タイムで争う箱根駅伝予選会ではさらに差が広がることが予想される。
前回の本戦に出場してシード権(10位以内)を逃した東京国際大、明大、帝京大など10校をはじめ、前回予選会11位の神奈川大、同12位の中央学院大など常連校が予選会に向けて戦力を整えており、関東勢の層は分厚い。
古豪や新興校も戦力が充実している。特に注目は、前回の予選会17位の東農大だ。全日本大学駅伝の関東選考会では1万メートルでU20日本歴代2位の28分3秒51と快走したスーパールーキーの前田和摩、4年生の並木寧音、高槻芳照を中心に5位で突破した。14年ぶりの伊勢路復活に続き、10年ぶり70回目の箱根駅伝出場に向けてチームは勢いに乗っている。小指徹監督(58)は「13枠に頼らず5位以内の突破を目指します」と意欲的に話す。
前回の予選会では13位敗退の日大は、昨年の全国高校駅伝で岡山・倉敷を優勝に導いた名将、新雅弘(しん・まさひろ)新監督(62)が就任し、チームの再建を図っており、4年ぶりの90回目の出場を目指している。
東農大や日大などの古豪のほか、新興校も虎視たんたんと箱根路を狙う。
前回予選会14位の麗沢大は箱根駅伝史上45校目の初出場を目指す。2018年、19年は連続で次点に泣いた苦い経験を持つ山川達也監督(38)は「今度こそ初出場を勝ち取りたい」と表情を引き締めて話す。
大会史上2番目で、継続中としては最長の76年連続76回目の出場を目指す日体大の戦いぶりも今回の予選会の大きな見所となる。
号砲は10月14日午前9時35分に鳴らされる。日本テレビの地上波全国ネット生中継は同日午前9時25分にスタート。日本中の駅伝ファンが注目する秋の立川決戦まで、ちょうど3か月に迫った。
◆第99回箱根駅伝予選会の上位成績は以下の通り(カッコ内は本戦成績)。
<1>大東大(16位)
<2>明大(12位)
<3>城西大(9位)
<4>早大(6位)
<5>日体大(17位)
<6>立大(18位)
<7>山梨学院大(14位)
<8>専大(20位)
<9>東海大(15位)
<10>国士舘大(19位)
以上、本戦出場権獲得
<11>神奈川大
<12>中央学院大
<13>日大
<14>麗沢大
<15>筑波大
<16>日本薬科大
<17>東農大
<18>拓大
<19>駿河台大
<20>芝浦工大
◆第100回箱根駅伝のシード校は以下の通り。
駒大(前回優勝)
中大(同2位)
青学大(同3位)
国学院大(同4位)
順大(同5位)
早大(同6位)
法大(同7位)
創価大(同8位)
城西大(同9位)
東洋大(同10位)