◆第105回全国高校野球選手権記念長野大会 ▽2回戦 松商学園10―0中野立志館=5回コールド=(12日・長野オリンピックスタジアム)
松商学園の最速147キロ右腕・竹内海翔(3年)が、オール直球で5回11奪三振1安打無失点の快投を演じた。「真っすぐが持ち味なので、どこまで通用するか、押していきました」。イニング間の投球練習では100キロ台のカーブを挟んだが、「プレー」がかかるとスイッチオン。変化球のサインにも首を振り、全69球ストレート勝負。4回にこの日最速145キロを連発した。
昨夏16強の中野立志館に対し、2度の4者連続を含む毎回11K。「三振を取れるところは取りにいきましたが、基本は打ち取ることが目的」。3回先頭の中前打以外は走者を許さず、3ボールも1度だけだった。
昨秋は右肩に不安を抱え、北信越4強のチームで出番が少なかったが、もう心配無用。4月の創部110周年招待試合では、昨夏甲子園Vの仙台育英を4回無失点に抑えた。技巧派のエース大塚舜生、最速143キロの斎藤新太(ともに3年)の両左腕に隠れ、背番号は18。松宗勝監督(43)は「3人の中でストライク率は一番高い。18はプロとか上のレベルではエース番号。力を出してくれた」とうなずいた。
昨年の同じ7月12日は長野日大戦が雷雨のため継続試合となり、翌日に37年ぶりの夏初戦敗退を喫した。「そこは意識しすぎると力むので、自分たちの野球をしようと思った」。この日も初回に雨が降ったが、剛腕で暗雲を吹き飛ばした。左打ちの5番打者としても、初回に先制の3点三塁打など2安打4打点で自らを援護した。
生まれは滋賀・彦根市。中学時代は湖東シニアで元横浜(現DeNA)投手の村西哲幸監督の教えを仰いだ。ノーシードから2年ぶりの頂点へ。故郷の先の甲子園を目指し、真っすぐに突き進む。(雑誌『報知高校野球』取材班)