宝塚歌劇花組「鴛鴦(おしどり)歌合戦」(脚本・演出、小柳奈穂子)「GRAND MIRAGE!」(作・演出、岡田敬二)が7日、兵庫・宝塚大劇場で華やかに初日の幕を明けた。
「鴛鴦―」は、日中戦争中の1939年に公開された片岡千恵蔵さん主演の同名オペレッタ時代劇映画が原作。長屋で一人暮らしの浪人・浅井礼三郎(柚香光=ゆずか・れい)と、骨とう品好きの父のせいで貧乏暮らしを強いられているお隣さん・お春(星風まどか)の恋の行方を描く。
映画の原曲もそのまま使用され、「音楽が何ともクセになるんです。にやけてしまうぐらい」と柚香。和洋折衷のにぎやかな雰囲気の中で、粋な色男を力まずに好演。「とんでもない人たちがたくさん出てくるんですが、ふわっと温かくご覧いただける作品では」とPRした。
ショー「GRAND―」は、82歳の巨匠・岡田氏のロマンチック・レビュー第22弾。おなじみのパステルカラーの世界観で始まり、王道のど真ん中を行くステージ。柚香は「現代的な音楽や振り付けと違って、振り数や刺激的なことが多く入っているわけではないですが、所作や立ち居振る舞いの一つ一つが洗練されていて上質。難しい。たくさん練習して、今の花組だからできるロマンチック・レビューをお届けしたい」と話していた。
また、今作で副組長・航琉(わたる)ひびき、和海(かずみ)しょう、春妃(はるひ)うららが退団。「鴛鴦―」ではお春の父を和海、骨とう屋の主人を航琉が演じて物語を揺るがし、春妃は、骨とう好きが高じてお家騒動にまで発展する殿様・峰沢丹波守(永久輝せあ)の正室・麗姫役を担当した。
「GRAND―」のパレードは、新人公演でお春を演じる朝葉ことのがエトワールを担当。主な大階段下りの順は(綺城ひか理・帆純まひろ・一之瀬航季)―聖乃あすか(羽根なし)―永久輝(羽根あり)―星風―柚香だった。柚香は「千秋楽まで一日一日を大切に務めてまいりたい」と、あいさつした。
8月13日まで。東京宝塚劇場では9月2日~10月8日に上演。