【HAKONE LIFE】元青学寮長からトレイルラン世界最高峰への挑戦 神野大地先輩きっかけ

トレイルランナー田村健人
トレイルランナー田村健人

◆プロトレイルランナー 青学大OB・田村 健人(29)=アズホールディングス=

 田村は「3代目・山の神」と呼ばれたプロランナー神野大地(セルソース)の動画撮影などの業務をしながら、プロトレイルランナーとして成長中だ。青学大出身で4年時、チームは学生駅伝3冠と箱根駅伝3連覇。愛称「タムケン」は原晋監督(56)をはじめチームの信頼が厚く、寮長も務めたが、3大駅伝に一度も出場できなかった。

 卒業後、一般企業に就職した。転機は社会人3年目。1学年先輩の神野との会話だった。「YouTubeチャンネルをたちあげるけど、撮影と編集できる人いないかな?」。自ら名乗りを上げて、神野がいるマネジメント会社に転職した。

 体重は15キロ増えていたが、カメラを手に神野を追いかけているうちに、挑戦の気持ちが芽生え、21年に登山道や林道などの未舗装路を走るトレイルランニングに転身。今年4月、ウルトラトレイルマウントフジKAI(68・4キロ)で優勝。実績が認められ、アズホールディングスと所属契約を結んだ。

 「箱根駅伝を走れなかった悔いは残っていて、本気でトレイルランニングに挑んでいる。5年後くらいに最高峰と言われる160キロのUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)というレースで優勝したい」と野望を明かす。箱根の山よりもはるかに険しく長い道を全力で駆ける覚悟だ。(竹内 達朗)

 ◆田村 健人(たむら・けんと)1994年5月22日、鳥取市生まれ。29歳。中学時代は野球部ながら全国都道府県対抗駅伝に出場。鳥取中央育英高1年時から本格的に陸上を始めた。2013年に青学大入学。3、4年時に関東学生対校ハーフマラソン出場も学生3大駅伝は不出場。17年に卒業。20年1月に青学大で先輩の高木聖也社長が経営するマネジメント会社に転職。愛称はタムケン。171センチ、55キロ。

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