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【番記者の視点】明本、荻原、ショルツ…J1最少失点誇る浦和DF陣にケガ人続出 J1優勝へ正念場

スポーツ報知
浦和DF荻原拓也

◆明治安田生命J1リーグ▽第18節 浦和1―1川崎(24日・埼玉)

 【浦和担当・星野 浩司】 試合後の記者会見。浦和のスコルジャ監督(51)から、チームの危機的状況を感じさせる言葉が飛び出した。「2人の重傷者が出たかもしれない」。負傷交代したDF明本考浩、危険なタックルを右足首に食らったDFショルツの2人かと思いきや、「明本と荻原です」と説明。フル出場したDF荻原拓也もケガを抱えていることを明かした。

 明本は、累積警告で出場停止の主将DF酒井宏樹に代わって右サイドバック(SB)で先発。後半27分にカウンターの守備で猛ダッシュで帰陣した際に肉離れを負ったとみられ、顔をゆがめながら担架で運ばれた。左SBで先発した荻原は鋭いクロスで何度もチャンスを作り、明本が退いた後は慣れない右SBでそつなくプレー。部位は不明ながら負傷に見舞われ、試合後は「大丈夫」と話したものの、状態が心配される。

 そして、ショルツ。同33分に川崎MF小塚和季の危険なスライディングタックルで右足首を強く踏まれ、倒れ込んだ。すぐにピッチに戻り、その後も体を張った守備、前線への攻撃参加とフル出場。「(患部が)温まってる時は特に問題ない。家に帰ったら多分痛いかもしれない」と笑顔で話したが、すぐにでもプレーできるような軽傷には感じなかった。

 右から酒井宏樹、ショルツ、ホイブラーテン、明本の主力4バックに加え、今やサブから主軸に成長した荻原。3度目の優勝を飾ったACLを含め、この5人が今季のDFラインの中心を担ってきた。リーグ戦はショルツ、ホイブラーテン、明本が全17試合、荻原が15試合、酒井が11試合に出場と、数字が物語っている。

 浦和はリーグ17試合でJ1最少の13失点。GK西川周作や、対人がすこぶる強い北欧出身センターバック(CB)コンビを中心にリーグ屈指の鉄壁を誇る。一方の攻撃陣は、直近3試合でわずか1得点。今季J1で5番目に少ない21得点と、かなり物足りなさを感じる。これだけ得点が少ない中でリーグ5位につけているのは、DF陣や西川による堅い守備がチームを支えているからに他ならない。

 浦和は今季、酒井が負傷離脱する時期はあっても、5人のうち2人以上を欠くことはほとんどなかった。SBやCBが攻撃参加しながら、互いにカバーしあうハイレベルな守備バランスを保ってきた。次節以降は酒井が復活し、SBの控えには大畑歩夢や馬渡和彰ら実力者がいるとはいえ、明本と荻原の主力2人が離脱となった場合のチームに与える影響は大きい。

 この日は1―1の後半33分から数的優位に立ちながら、勝ち越し点は奪えず。むしろ、1人少ない相手に攻め込まれる場面も少なくなかった。極めつきは、負傷者の続出。「勝ち点1を得ることはできたが、代償はかなり大きいかもしれない」と指揮官は言った。

 3戦連続のドロー。負けてはいないが、勝ててもいない。首位・横浜FMなど上位陣との勝ち点差はじわじわ開くばかりだ。「優勝するためには後半戦は負けられない。勝ち点1を3にすることが大事」と西川。体力の消耗が激しい夏場を前にケガ人が相次ぐ中、06年以来のJ1優勝へ正念場を迎えている。

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