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履正社・元木翔大「くせ者」と呼ばれた父・元木大介さんのように「甲子園で活躍したい」グラブに刺しゅうも

巨人・元木大介作戦兼内野守備コーチの長男で履正社の元木翔大(カメラ・瀬川 楓花)
巨人・元木大介作戦兼内野守備コーチの長男で履正社の元木翔大(カメラ・瀬川 楓花)
「くせ者」(左)と、「Enjoy baseball」(右)の刺しゅうが入った履正社・元木翔大のグラブ(カメラ・瀬川 楓花)
「くせ者」(左)と、「Enjoy baseball」(右)の刺しゅうが入った履正社・元木翔大のグラブ(カメラ・瀬川 楓花)
上宮時代の丸子実戦で本塁打を放った巨人・元木大介作戦兼内野守備走塁コーチ(1989年8月9日撮影)
上宮時代の丸子実戦で本塁打を放った巨人・元木大介作戦兼内野守備走塁コーチ(1989年8月9日撮影)
巨人・元木大介作戦兼内野守備走塁コーチ
巨人・元木大介作戦兼内野守備走塁コーチ

 第105回全国高校野球選手権記念大阪大会(7月8日開幕)の抽選会が22日、大阪市内で行われた。4年ぶりの夏を目指す履正社は15日の2回戦で大阪公立大高専と対戦。巨人・元木大介作戦兼内野守備コーチ(51)とフリーアナウンサー・大神いずみ(54)の長男、元木翔大内野手(3年)が高校入学後、初めてメディアの取材に応じ、最後の夏への思いを明かした。

 初のベンチ入りに向け、三塁手の元木は日々、汗にまみれている。「メンバーに入る、入らないは関係なく、一丸となって必ず勝つ」。優勝した19年以来、4年ぶりとなる夏の聖地しか見えていない。

 中学1年時に父・大介氏が監督を務めた「カル・リプケン12歳以下世界少年野球大会」に出場した。現大阪桐蔭の前田悠伍(3年)らと3連覇を果たし、MVPを受賞。「父が大阪でずっと野球をやっていた。自分も大阪で大阪桐蔭を倒して、甲子園で父のように活躍したい」と履正社に進学し、学校近くで一人暮らしを始めた。

 しかし、腰のけがが悪化。リハビリに努め、1年秋にノック練習に入ったが、そこでも痛みが出た。「野球が楽しいと思えなくなった」。多田晃監督(45)と相談し、昨夏は学生コーチに転身することを本気で考えた。踏みとどまらせたのは、グラブに刺しゅうした“Enjoy Baseball”の文字。「先輩たちにもらった一番救われた言葉」だ。「今やめてお前に何が残るんや?」という父の言葉も「その通りだと思った。活躍して履正社を勝たせたい」と愛のムチとして受け取った。月に1度来てくれる母の手料理や帰った後に残された手紙も支えになり、2年秋に復帰した。

 19年に巨人のV旅行で憧れの岡本和と話した。周りから「お前のお父さんはすごいぞ!」と言われて、誇らしかった。一方で、どこに行っても“元木の息子”と呼ばれた。「比べられることは、思ったよりつらかった」。それでも「父のようになりたいという意味」で巨人時代の代名詞“クセ者”の文字もグラブに刺しゅうしている。

 「やるなら最後までやれ!」。野球を始めた時に父と交わした約束通り、卒業後も関東の大学で現役続行を考える。「甲子園でプレーしたい。もう一度、花を咲かせたい」。父が輝いた舞台に立つため、力を振り絞る。(瀬川 楓花)

 ◇元木 翔大(もとき・しょうた)2006年1月10日、神奈川・川崎市生まれ。17歳。桐光学園小4年から王禅寺少年野球部で競技を始め、王禅寺中央中では麻生ボーイズでプレー。171センチ、83キロ。右投右打。家族は両親と弟。

 ◆元木大介の甲子園 上宮(大阪)の「4番・遊撃」で2、3年春、3年夏に出場。2年春は計15打数5安打1打点1本塁打で8強入り。3年春は1大会最多タイの3発を含む計18打数9安打8打点で準優勝。東邦との決勝は延長10回に失策が絡んで逆転サヨナラ負け。悲劇的な幕切れでグラウンドにうずくまった。3年夏は計16打数5安打5打点2本塁打。準々決勝で大越基(元ダイエー)を擁する仙台育英に敗れた。甲子園通算6本塁打は、PL学園・桑田真澄(巨人ファーム総監督)、広陵・中村奨成(広島)に並ぶ2位。

 ○…ノーシードから5度目の夏へ、履正社の主将・森沢拓海遊撃手(3年)は「新チームが始まってから状態は1番いい」と自信を見せた。今春センバツは高知に2―3で初戦敗退。春季大会では4回戦で大商大高に敗れたが「夏に向けて切り替えて準備してきた。どこが相手でもやることは一緒なので、自分たちの力を発揮したい」と意気込んだ。

巨人・元木大介作戦兼内野守備コーチの長男で履正社の元木翔大(カメラ・瀬川 楓花)
「くせ者」(左)と、「Enjoy baseball」(右)の刺しゅうが入った履正社・元木翔大のグラブ(カメラ・瀬川 楓花)
上宮時代の丸子実戦で本塁打を放った巨人・元木大介作戦兼内野守備走塁コーチ(1989年8月9日撮影)
巨人・元木大介作戦兼内野守備走塁コーチ
上宮時代の巨人・元木大介作戦兼内野守備走塁コーチ(1989年8月1日の甲子園練習)
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