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【番記者の視点】日本代表FW古橋亨梧、無得点のペルー戦 積み上げるべきは小さな信頼

スポーツ報知
前半、競り合う古橋亨梧(右、カメラ・岩田 大補)

◆国際親善試合 日本代表4ー1ペルー代表(20日・パナスタ)

 さすがスコットランドリーグの得点王…という動き出しは何度も見せていた。しかしFW古橋亨梧は、やっと巡ってきた先発のチャンスで、結果を出すことはできなかった。この試合で、自身の存在意義とも言えるゴールを奪えず、後半16分に途中交代。これではアピールに成功したとは言えない。

 最大のチャンスは前半13分。右サイドからFW伊東純也のアーリークロスに頭で合わせたが、シュートは枠をとらえることができなかった。このシーンについて、伊東は「GKとDFの間に速いボールを入れるよ、と(試合前に)言っていたので。亨梧ならあれは決められたと思う。本人も決められた、と言っていましたし」と語っていた。相手DFとの駆け引きで、前、または背中を取る動きの巧みさは、やはり他のFWが持っていない能力だとチームメートからも認められている。

 一方で無得点以上に気になったプレーがあった。前半3分、中盤でポストプレーのパスがずれた。前半28分にもミスで攻撃の起点となることができなかった。もちろん古橋は、ポストプレーヤーとして体を張るタイプではない。しかしセンターFWを務める以上、攻撃の起点としての最低限の役割は必要だ。この日のプレーでは、得点を奪えなかったこと以上に、同じような状況でミスが続いたポストプレーが気になった。

 セルティックではチーム内で絶対的な信頼を集めたからこそ、27ゴールで得点王に輝いたのだろう。しかし18試合4ゴールの日本代表では、まだ信頼を集めているとは言えない。もちろんゴールが最大の結果であることは言うまでもないが、今の古橋には小さな信頼を積み重ねていくことが必要なのではないか。

 「何回かいい形で攻撃できた。やっていて楽しかった。でも楽しいだけだとFWとしてはダメ。決めきれなかったのは」。試合後の古橋は、こう振り返った。エルサルバドル戦では見事な動き出しからヘディングを決めたように、得点力に疑いはない。それだけに、なかなか森保ジャパンにフィットしていかない現状にはもどかしさを感じる。いまだ絶対的存在が決まっていないセンターFW争いの中で、小さな信頼を積み重ねていくことが、さらにパス、そしてチャンスを集めていくことになるはずだ。(金川 誉)

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