7人組ボーイズグループのBE:FIRSTのインタビュー企画第3弾はSOTA(22)。ダンスの世界大会でダンサー、コレオグラファー(振付師)として5度の優勝を誇る男が、一つの願望を口にした。今まで振付師とメンバーの間に入って作ってきたダンスを「自分で一から(振り付けを)やってみたい」と明かした。14歳から振り付けを始め「世界を取れたのは分析の成果」と振り返るが、その経験は今のビーファにも生かされている。SOTAのダンス人生、さらにライブに懸ける思いなども聞いた。
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BE:FIRSTの振り付けは、デビュー曲「Gifted.」から「Smile Again」まで外部からコレオグラファーを招いている。だが、水面下で調整してダンスを形にしているのはSOTAなのだ。
「ビーファのコレオ(振り)は、僕が振付師の方の仲介をしてブラッシュアップして完成させています。作る方も7人の個性を知らないから、不安や悩みを持っているはず。全員がマイクを持つから『ここは踊らず表情を見せたい』とかも出てくるので、僕が間に入っています。コレオに関しては『やらせてください』と(日高光啓)社長にも言ってて『こういう曲なら、振り付けはこの人に声をかけてほしい』と頼んだりもしています」
オーディション「THE FIRST」では課題曲「To The First」などで振付師のスキルを発揮した。ビーファの作品でSOTAのコレオを見る日も遠くなさそうだ。
「オーディション時は自分の評価だけでなく、(経験の)浅い方に合わせて、どれだけエモーショナルな作品が作れるかを意識しました。最近はメンバーのダンススキルも上がってきているのでね…。(振り付けを)やってみたいかな~、う~ん、いや、やりたいです。もしやるなら自分として1発目になるので何か面白いことをしたいし、年内にできたらいいですね(笑い)」
振付師として目覚めたのは14歳。ダンスの世界大会で一気に才能が開花した。
「大会は12歳から2年出て勝てなくて、自分がコレオを任せられたらいきなり優勝しました。勝算はあったんです。学校で例えると、僕たちは月曜はヒップホップで火曜はロックと全科目やり込んでいますが、米国だと練習する週3日、費やしたヒップホップだけの作品を作ってくる。僕たちは全部練習しているのに『今年はロックでいこう』になっていたから『全部を入れ込んだら勝てる』と確信してました。14、15歳で勝って16歳の時に1回負けて、17歳でまた勝って、18、19歳でも勝てました。分析が生きたと思っています」
自身のダンススキルを考えると、グループでのパフォーマンスに物足りなさを感じないのだろうか。
「僕のダンス人生の後半は、コレオグラファーとし『いかにして見せるか』をずっと分析してきました。上手じゃない子や新しい子を入れて優勝をしなきゃいけない状況下で、レベルを下げることなくチーム感を出せる作り方には自信があります。それに『構成変えると、自分がカマしても悪目立ちしない』っていうのもある。いろんな足し算、引き算が成功した瞬間は快感で、うまい人をそろえて踊ってもつまんないかな~」
先月、東京ドームでジャイアンツとのコラボイベントに出演。「またここに帰ってきたい」と、ドーム公演を意識した発言をしていたが…。
「実際にドームでやってみると、思っていたよりデカくて『あんな角まで席があるんだ』って実感できました。7人で全部の角にいるベスティ(ファン)まで届けなきゃって考えると、アリーナ規模でギリギリ奥まで伝えられた達成感じゃ足りないし、まだやらなきゃいけないことがたくさんあるなと。同時にここでやりたい気持ちにも火が付きました」
昨年の単独ツアーでは、納得のいかないパフォーマンスもあったという。
「ライブ中に何回か『ベスティを置いてっちゃってるな』と感じることがありました。パフォーマンスでは7人の魂を内側に集めて、1人で飛ばすモノと7人で飛ばすモノがあって、全部100やるのは正直難しい。一回、内側に向いて飛ばした瞬間に『あっ、今の曲はちょっと内向き過ぎたかな』とかあって、ベスティからもらえる歓声で『あれ、ちょっと足りない』のが分かると修正します。目配りしながらのパフォーマンスは精神的には疲れますが、ライブは最高に楽しいです」
今年も夏フェスの出演が多いが、ワンマンとは違う魅力があるそうだ。
「知らない人を巻き込むエネルギーの消費はとんでもないです。『どうにかして、こちらを向かせるか』ってずっと綱引きをしている感じですが、これが楽しい。僕、フェスでは100%脱水症状になって頭が痛くなる。それが最近では、ここでしか味わえない快感、達成感みたいになっちゃっています(笑い)。早く7月になってほしいです」
ダンスマイスターの下、グループのパフォーマンスは新たな次元に突入している。SOTAが“責任編集”するコレオを早く見たい。(国分 敦)
◆SOTAが見たメンバー◆
▼SHUNTO(19)「自分が『カッコいい』と思うことを誰よりも固く持って、カッコよく見せる方法も誰よりも知っている。あとは“音楽バカ”の面もあります」
▼MANATO(22)「音楽との距離でいえば彼がB・マーズに一番近いところがある。一個上のところで音楽を楽しんでいて、一歩先に行かれている感はちょっと悔しい」
▼RYUHEI(16)「僕の16歳の頃と比べるとリュウヘイのダンススキルは高い。総合点では負けないけど1教科では負ける感じもあるかな。ダンスの相方としては本当に心強い」
▼JUNON(25)「一緒に歩いて俺が踊っていると、Jがマネして踊ったりしている。彼の歌から出るグルーヴがダンスにも反映されて、成長具合は怖いぐらい早いですよ」
▼RYOKI(24)「ファッション含めオーラや自信がステージに反映されている。起爆剤といわれるが、彼がいることで全員のスイッチが入る瞬間もある」
▼LEO(24)「努力家で物事をすごく繊細に考えている。確実にレオ君だけの音楽というのも語るし、それをステージでも発揮するので本当に尊敬できる」
◆SOTA(ソウタ)2001年1月18日、神奈川出身。22歳。ダンスの世界大会の優勝経験者で、グループのダンスをけん引する存在。趣味は車、サーフィン。身長174センチ、血液型AB。